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高森明勅
2015.4.14 05:21

アメリカ追従は正しい?

産経新聞(4月14日付)のコラム「鈍機翁のため息」(桑原聡氏)
にこんな一節が。

「いま、アメリカに追従するのは正しい現実的判断だ。
そうしながら安倍政権が志向しているのは
戦後レジームからの脱却』、つまり真の意味での国家主権の
回復だと思う」と。

なかなか興味深い。

まず、アメリカ追従という“苦い現実”から目を反らしてはいない。

その上で、それは限定付きで「正しい」とする。

その限定とはー「現実的判断」としては、ということ。

言い換えると、理想としては又、別の判断になることを含意している。

現に、執筆者自身「真の意味での国家主権の回復」を
願っていることを表明している。

いわゆる「保守」系の人々の本音と、
安倍政権への“健気な”
期待がよく表れている。

だが、安倍政権のブレーンと称する人物は、明け透けに、
こう述べている。

「安倍首相は第1次政権で好んで使っていた
戦後レジームからの脱却』という言葉を使わなくなった。

誤解を生む言葉だからだ。

集団的自衛権の行使を可能にするのも
…『サンフランシスコ体制』
における
日本の輪郭をはっきりさせるための措置という側面が強い

憲法改正もそうだ。

米国の同盟国としての日本であることを憲法で確認したいからだ」

(八木秀次氏『正論』2月号)

まことに正直な発言だ。

安倍政権は、戦後レジームの重要な支柱である
サンフランシスコ体制」からの脱却など、全く「志向」していない。

むしろ同体制下の日本の「輪郭をはっきりさせる」ことを
目指している。

集団的自衛権の行使も憲法改正も、全てその為だ、と。

では、サンフランシスコ体制下の日本とは? 

「事実上のアメリカの被保護国」
ブレジンスキー元米大統領補佐官)

 「日米関係は…アメリカが運営している帝国システム」
(ロバート・アート氏)

ーというのが実態。

まさに、徹底してアメリカ追従そのもの。

ならば、「真の意味での国家主権の回復」とは全く逆方向を
志向」している、と言う他ない。

果たして、それは「正しい現実的判断」なのか。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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