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高森明勅
2015.4.19 10:36

アメリカ追従で防衛費が10倍?

先に、「アメリカ追従は正しい現実的判断」との意見を紹介した。

その背景にあるのは、軍事アナリスト、小川和久氏流の
コストとリスクを検討すれば…」というロジックだろう。

だが小川氏のコスト計算は、田母神俊雄氏+
自衛隊OBグループの
試算と比較すると、大きな隔たりがあった。

前者は今の防衛費の5倍弱ないし6倍位と見積もっていた。

これに対し、後者だと1.3倍ほど。

ところが最近、たまたまこんな意見を目にした。

このまま対米追従を続けていたら、
軍事費の大幅な削減に取り組むアメリカの肩代わりをさせられ、
防衛費は今の対GDP比1%から5ないし10%まで膨らみかねないと。

勿論、この数字にどれだけ確たる根拠があるのか、
吟味しなければならない。

だが、対米依存を続ければコストは安上がりと決めてかかる発想も、
冷静に考え直す必要があろう。

何しろアメリカは、
これから10年間に50兆円も軍事費を削ろうとしている。

毎年、わが国の1年分の防衛費に相当する金額ずつ、
減らしていく計算になる。

だから今後、アメリカが日本に一層の防衛(!?)努力を要請し、
日本政府が極力その要請に応えようと“追従”する可能性は十分、
想定できる。

言う迄もなく、軍事費をただ拡大しても、
戦力構成のバランスを整えなければ、
自立した軍事力にはなり得ない。

防衛費が5ないし10倍に膨らむのであれば、むしろ日本が
自立した軍事力」を備えた方が、遥かに経費節約になる。

馬鹿馬鹿しいにも程がある。

そもそも、経済的に日本より劣る国々が普通に
「自立した軍事力」
を備えている。

それなのにわが国だけ、コスト上の問題でそれが出来ないなんて、
可笑しくないか。

国家主権を巡る問題に、過剰にコスト計算を持ち込む思考法自体、
健全とは言えない。

ソロバンを弾いて、「事実上の米国の被保護国」のままの方が得なら、
それを続ける、
というのだから。

そんな国民は、アメリカをはじめ世界中のどの国からも、
尊敬されるはずがあるまい。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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