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小林よしのり
2015.6.9 03:58経済

異次元緩和は打ち出の小槌か?


内閣府が発表した平成27年1‐3月期のGDPは大幅な

上方修正だったと報じられたから、いよいよ景気が回復

してきたかなと思う人も多いのだろう。

だがGDPの6割を占める個人消費の回復は鈍く、

街角の景気実感は低下している。

 

なんのことはない、GDP年率39%のうち、22%が

在庫の積み上がりによるものなのだ。

消費不振で製品が売れ残って、在庫が増えてもGDPの

統計上はプラスと見做される。

株価だけでなく、GDPももはや実体経済からは

切り離されている。

 

設備投資も4‐6月期の伸びは難しいという声もある。

円安の影響で物価上昇するから、一部企業のボーナス増が

あったとしても、全体的には大して消費は伸びないだろう。

 

そもそも政府が短期政策で経済成長を実現しようとしても、

国民の大半の将来不安が減少しない限り、今より景気が

良くなるはずがない。                                          

 

市場がグローバルになった現在では、国債大量発行で財源を

作り出しても、従来通りの公共事業でばら撒く手法が通用

しなくなっている。

金融緩和の出口戦略がないままに、刷ったカネを政府が

無駄に消耗し続けているだけで、国民の将来不安は

解消するのか?

 

経済成長しかない、この道しかないという政府や国民の

思い込みがあるから、「代案を出せ」と言い出すが、

残念ながら「打ち出の小槌」はどこにもない。

異次元の金融緩和こそが「打ち出の小槌」だと信じ、

それを批判すると、「別の打ち出の小槌」を出せと言う

のでは、精神が未熟すぎで話にならない。

この世にオイシイ話はないという常識に、国民は立ち返る

必要がある。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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