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小林よしのり
2015.8.1 04:48日々の出来事

「永遠の0」はやっぱりメロドラマだった


昨日、録画した「永遠の0」を見た。

なるほど、こういう映画が大ヒットするのか。

確かに監督の特に後半部分の作り方は上手い。

CGを駆使した空中戦は確かに快感だ。

 

だが、このお話は、完全に教科書的で、わしとしては

全然つまらん。

 

●主人公の価値観が、どういうわけだか生命至上主義の

戦後の価値観である。

●主人公の戦況分析が、時代の中にいる人間ではなく、

まるで現代からタイムスリップしてきた人間のように

日本軍の失敗を見通している。

●主人公は乱戦を避け、仲間を捨てて逃亡しているのだから、

本来は敵前逃亡で、軍法会議にかけられるはずである。

●主人公の性格が、純粋まっすぐ君で、まるでキリスト

みたいで、感情移入が出来ない。

●戦争未亡人になった主人公の妻が、戦友と不純異性交遊を

してるのに、建て前で美化するのが気色悪い。

『卑怯者の島』の美奈ちゃんの方が正直である。

 

だが、こんなお話でも多くの人々が泣くのだから、不思議だ。

結局、戦争映画と言いながら、メロドラマなのだ。

こういう偽善・欺瞞をぶち壊すために『卑怯者の島』を

描いたのである。

 

だが、わしの感性は一般受けしないだろう。

偽善・欺瞞が一切ない物語であり、これこそが戦争のリアル

なのだが、国民は戦争のリアルより、お涙ちょうだいを望む

のだから、アホくさい限りだ。

 

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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