ゴー宣ネット道場

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小林よしのり
2015.12.29 02:29政治

慰安婦問題の不可逆的解決だって?


慰安婦問題が「最終的かつ不可逆的に解決」したという。

アメリカに促されて日本政府が折れた。

韓国が折れたとは思わない。

なぜなら65年の日韓請求権協定で日本統治時代の問題は

「完全かつ最終的に解決済み」だったからだ。

国際条約で解決済みだった問題を蒸し返すことは、重大な

モラル違反だ。

条約自体を信じられなくなったら、外交の意味がなくなる。

 

日本政府は韓国側の「条約違反の問題蒸し返し」を一度、

許容した。

93年の河野談話で、すでに「軍の関与」は認めている。

当時の橋本龍太郎首相が元慰安婦に謝罪の手紙も書いた。

さらにアジア女性基金で「償い金」も元慰安婦61人に払った。

挺対協がこれに反対したから元慰安婦全員に払うことが出来な

かったのだ。

 

韓国政府はこの時点で国内の世論を抑えねばならなかった。

国民の代表である政府が合意した問題を、国内の反対勢力が

強硬だからと、また態度を豹変させて蒸し返す。

こんなことを何度も繰り返していては、韓国に限っては

外交の意味がなく、条約や協定の意味もなくなってしまう。

 

だが、事情をまったく知らぬ欧米の無責任な世論に、

日本政府はまた屈することにした。

日米同盟があるから、アメリカ政府の要望があれば、

屈しなければしょうがない。

日米同盟が日本の国防の頼みの綱だと思う右派は、ガタガタ

文句を言う資格がない。

 

日本は何度も屈し、誠実に対応している。

右派の安倍政権だからこそ、右派の言論人やネトウヨを

抑えることが出来る。

これが民主党政権だったら、右派の者たちが「政権打倒」の

デモを起こしていたはずだ。

安倍真理教と化した右派だからこそ、せいぜいネットの中で

愚痴をつぶやくだけで、デモ一つ起こさず、この理不尽に

耐えている。なんというけなげな。

 

幸いなことに今回は、欧米メディアが歓迎する報道をして

いるから、国際社会が成り行きを注視している。

欧米メディアは今度こそよく観察していてほしい。

韓国内の反日団体・挺対協を、韓国政府が説得できるか?

共同文書が作られなかったのは、韓国政府が国内の反日団体や

反日世論を抑える自信がないからではないか?

日本大使館前の少女像を撤去できるか?

 

まだまだ問題は山積している。

アメリカ国内に、次々に建てられた慰安婦像は撤去しなくて

いいのか?

アメリカ政府にしても、日本を侮辱する慰安婦像の建立を

容認しているのはおかしいのではないか?

慰安婦資料のユネスコ記憶遺産登録は本当に止めるのか?

もっと危ういのは、台湾や中国や東南アジア諸国が今後続々と

謝罪・賠償を求めてきたらどうするのか?

 

なに一つ、安心できる要素はない。

何度も何度も、韓国は蒸し返す。

「反日」が国是なのだから、国際条約なんて「反日」のためなら

すぐ反故にする、それが韓国なのだ。

日本人はウブだから今度こそ今度こそと信じて、また裏切られる。

あろうことか日本国内の左派たちは、「この合意を傷つける

ような発言は控えるべきだ」と、自由な言論を封じる空気を

作り始めた。

安倍政権に批判的な発言を封じる右派連中と同じことを、

左派もするのか?

 

油断はできない。

決して油断はできない!

 

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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