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小林よしのり
2016.1.4 03:46メディア

新聞各紙のグローバリズム社説を批判する


念頭にあたっての各新聞の社説を読むと、グローバリズムへの

推進を主張する論説がやけに多い。

 

日経新聞は「グローバル化の大波に乗り成長を」と鼓舞し、

産経新聞は「五輪とTPP生かす知恵絞れ」と言い、家計の財布の

ひもが緩まず、企業が投資をしないのは「縮み思考」だと嘆く。

 

年金まで博打に使ってりゃ、将来不安で貯金するしかないよと

庶民は思うだろう。

個人消費が伸びないなら設備投資してもリスクが高いと企業は

考えるわけだ。

 

TPPをやれば国際分業体制が進むから、日本のすべての産業が

勝つわけではない。

必ずボロ負けして消滅する産業も出てくるのだ。

食料自給率が落ちたら、輸出する国の天候不順や天変地異で、

食料が輸入できず、飢餓が拡がることも予想される。

 

メキシコや韓国のFTAの結果を見れば、TPPの陥穽も分かる

はずなのだが。

そもそもTPPの条件規約をマスコミはなぜ具体的に報じて

くれないのか?

アメリカに取られたルールは多いはずなんだが。

 

朝日新聞も「グローバル化の中で」、「増幅する扇動政治家」が

出てきていることを批判するが、グローバリズムはアメリカの

ルールの普遍化であり、テロが起こる要因であり、民主主義を

破壊する要素でもあるということに、まだ気づかないのだろうか?

 

グローバリズムはアメリカニズムと言われて久しいが、その意味の

深刻さをマスコミも言論人も全然わかっていない。

イラク戦争のように「手遅れ」になるまで気づかないのだろう。

 

経済成長が必要ないとは言わないが、その手段をTPP

グローバリズムに求めたら、格差はまだまだ開いて、国柄や

中間共同体が破壊される。

それが国民から活力を奪い、経済成長を妨げる。

悪循環の繰り返しだ。

 

アベノミクスはハイエクとケインズを同時に行うという手法を

取っているが、公共事業も市場経済も、国柄を守りながらやる

べきである。国家ビジョンが先なのだ。

ハイエクも真の個人主義は共同体の伝統や慣習に根付いた個人

だと言っているではないか。

ハイエクで新自由主義に邁進しながら、ハイエクを読んだ

こともないのだから、どうしようもない。

 

 

 

 

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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