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高森明勅
2016.5.31 06:37

世論はリンチ?

芥川龍之介に『侏儒の言葉』という箴言集がある。

彼が亡くなった昭和2年に書かれている。

だから今から90年程前の作品だ。

その中で輿論(よろん)について述べている。

「輿論は常に私刑であり、私刑はまた常に娯楽である。
たといピストルを用うる代りに新聞の記事を用いたとしても」と。

今なら「新聞の記事」とある箇所は、どう書けばよいのか。

だが、“輿論は私刑”という洞察そのものは、ちっとも古びていない。

と言うより、当時から既にそうした傾きがあったという事実に、
驚く人もいるだろう。

改めて、「公論」と区別されるべき、輿論なるものの本質を
見るようだ。

ちなみに現在、使われている「世論」は、輿論の言い換え語で、
本来は「せろん」と読むのに「
よろん」と誤読され、それが
定着している。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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