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高森明勅
2016.9.2 01:00

男系限定の条件

以前、男系限定論者が次のような論を立てていた。

125代の歴代天皇に北朝の天皇を加え、10代の女性天皇と
3代の配偶者を持たなかった天皇を差し引いた
117代の内
…正妻が皇子を産まなかった天皇は、
僅か31代しか例がない。
確率にすると26、
5パーセントということになる」

「26、5パーセントは約4分の1に当たるため、歴史的に一系統当
たり4世代に1回の割合で嫡系継承が困難な場合
が生じるが、
その程度なら適切な数の宮家を常に確保しておくことで、
乗り越えることができるはずだ」

「『側室無くして男系系統は不可解である』という主張は、
医療水準の違いを考慮した場合に成立しない。
むしろ、4乃至(
ないし)5の宮家を常に確保し続けることによって、
側室なくとも男系継承は確率論的に可能である」
(竹田恒泰氏『
伝統と革新』創刊号)。

だが、
「(内廷の他に)4乃至5の宮家を“常に”確保し続ける」
なんて側室無くして可能なのか。

そもそも、いかにして「4乃至5の宮家」を“たった1度”でも
「確保」するのか。

どちらも至難ないし不可能と言う他ない。

とすれば逆に、やはり側室無くして男系“限定”による
長い将来にわたる安定した
皇位の継承は、「確率論的に
」望み難いと結論するしかない。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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