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高森明勅
2016.9.6 01:00

もう皇室典範はいらないのか?

天皇陛下が望んで“おられない”一代限りの譲位を無理やり実現する為
に、皇室典範に“抜け穴”
を作って憲法違反を表面上だけ免れ、
実質的には特別立法で対処しようという、姑息極まる動きがある。

だが譲位は言うまでもなく、皇位継承の2つの類型の1つ。

それだけの「重み」がある。

にも拘らず、もっぱら「皇位継承」のルールを法的に確定する為に
“こそ”
制定されている典範を事実上、スルーするやり方が認められる
のか。

最も重大な皇位の継承に対して、こんなやり方が許されるなら、
あらゆる場面で特別立法が罷り通ることになる。

皇室典範はあって無きが如し。

典範はもういらないのか。

皇位継承の順序変更や摂政の設置が、
既に典範の本則に
盛り込まれているのに、
現に天皇でいらっしゃる方が皇位を退かれ、
新しい天皇が即位されるという、より重大な事柄をこともあろうに
付則に回そうと企てるとは。

本末転倒も甚だしい。

そんな形になれば、「特例」の譲位により、
「特例」の即位をされた、「特例」の天皇ということに。

今上陛下はご即位のあたり、
憲法と皇室典範の定めにより
即位された旨、高らかに宣明された。

皇太子殿下のご即位の場合は、どうなる。

位自体の“根拠”を特措法、特例法に求めることになるのか。

どこまで神聖なる皇位を軽んじるつもりだ。

次代の天皇たる皇太子殿下に対し、これほど非礼かつ不敬な
仕打ち”はあるまい。

「国民統合の象徴」である天皇の尊厳を、一体どう考えているのか。

政府はひたすら己れの政治的保身だけしか頭にないのか。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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