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小林よしのり
2016.9.9 13:43メディア

文芸春秋の記事を読んでみた


文芸春秋の「皇后は退位に反対した」という衝撃的な

煽り文句に釣られて記事を読んでみたら、そんなに

過激な内容ではない。

タイトルのつけ方がズルいが上手い。

 

2010722日の「参与会議」で陛下が譲位のお気持ち

を述べられたときは、皇后も含めて全員反対だったが、

そのうち陛下の意思の固さに負けて皇后は賛成されたと

いうことに過ぎない。

注目すべきことは2010年からの陛下の譲位の決意であり、

その時点で摂政は退けられているということだ。

 

思い返してみると、この前年、2009年(平成21年)

1112日に天皇陛下の御即位20年の式典があった。

わしは鳩山内閣から招待されて、この式典に参加した。

13日には宮内庁からの招待で、宮中茶会に招待されて

いたので、あわててモーニングを作って、皇居に行った。

 

わしはこの時にはすでに、男系固執派と戦いを始めており、

天皇陛下とお話しするよう侍従に勧められたが、慌てて

辞退した。

皇統を巡る大喧嘩をしている最中に、陛下とお話しする

ことは迷惑をかけそうな気がしたのだ。

 

わしはすでに「SAPIO」の『ゴー宣』連載で、

女性・女系天皇を公認すべしという内容を描いていた。

ぞして連載をまとめ、皇統問題に絞って『新天皇論』を

出したのが、201012月だ。

 

鳩山内閣が終了したのは201068日だから、

天皇陛下が「参与会議」で譲位のお気持ちを述べられた

2010722日の時点では、菅直人内閣だったことに

なる。

すでに皇位継承問題は、民間では、高森氏や田中卓氏や

わしが「女系公認・双系派」として、「男系派」と論争を

激しく繰り返していた。

 

鳩山内閣時は小沢一郎による「習近平接見」の政治利用

があり、宮内庁と政権の間に亀裂が入り、「皇統問題」も

宮内庁から政府に打診するわけにはいかなくなっていた

だろう。

 

そこで陛下は「生前退位」によって、「皇統問題」も

動かすという戦略を立てられたのだと思う。

文芸春秋の記事を読むと、老化が心配で譲位したく

なったと誤解されそうだが、それだけではない。

 

だが文芸春秋も察してはいるらしく、記事の最後で、

天皇の友人の話を紹介している。

 

「陛下のお気持ちを考えると、典範改正でなければ、

本当の意味でご希望が叶えられたとはいえない。

陛下は、典範を改正することで、新しい伝統を作り、

それを将来につなげていきたいと考えていらっしゃる」

 

これが最重要なのだ。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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