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小林よしのり
2016.10.27 05:00日々の出来事

三浦瑠麗さんの「男系保守」への疑念は正しい


25日の東京新聞の「生前退位こう考える」に三浦瑠麗さんが

登場していて「保守派のご都合主義に疑問」と発言している。

三浦氏は「保守派の中には、天皇陛下個人を尊崇しているわけ

ではない人もいる」と指摘しているが、その通りである。

「男系血脈」を尊崇しているのだ。

 

彼らは女系を認める今上陛下は間違っていると考え、

退位にも反対、皇室典範改正にも反対と、反逆の限りを尽く

している。奇妙な現象だ。

 

そのような自称保守派の言動を見て、三浦氏は「天皇制を

自分たちに都合よく位置付けていただけなのだと感じて

しまいます」と言っている。

まったくその通りである。

 

戦時中の軍部は天皇をGODのような「神」として祭り上げ、

「天皇主権説」を取った。

昭和天皇は「天皇機関説」が正しいと思っていたのだが、

軍部に勝手にカリスマ性を高められてしまったのだ。

 

天皇陛下の思いを無視するという点では、現在の「男系保守派」

の者たちの考え方は、戦時中の軍部の考え方と同じである。

今上陛下の「公務」を減らして、御簾の奥に隠し、政治利用だけ

したいのである。

非常に危険な思想性だと言える。

 

さらに三浦氏は「男系保守派」を「男系男子主義や八百万の神

の思想などを護持していくため」に天皇制を重んじてきたの

ではないかと推測しているが、「八百万の神」の思想という

のが意味が分からない。

 

「八百万の神」というのは、様々な価値観が林立するという

意味であり、それ自体は悪くはないはずだ。

立憲主義の基本にも通底する。

ただし、この価値観の林立が、単なる相対主義に陥ってしまっ

てはダメなわけで、そこは天照大神が緩やかにまとめている

というのが神話の根本だとわしは考えている。

つまり女性神が価値紊乱状態を防ぐ要なのだ。

 

「男系保守派」はそこが分かってなくて、天皇を「ウシハク」

存在にしたいという、まさに戦時中の軍部と同じ感覚を

持ってしまっているのだ。

「男系保守派」は、皇室の歴史や意味を全然知らないから

どうしようもない。

 

三浦瑠麗さんの立ち位置は、リベラリズムだが、わしのような

真の保守とはかなり感覚が近い。

少なくとも「男系保守」というエセ保守たちよりは、圧倒的に

近いかもしれない。

何が近くて、何が遠いのかを、1211日の「ゴー宣道場」で

はっきりさせよう。

秘書岸端が忙しすぎて「ゴー宣道場」のバナー作りが遅れて

いるが、参加者募集はすでに始まっている。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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