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高森明勅
2016.11.3 01:00

「歴代天皇の大御心」という口実

8月8日のお言葉で天皇陛下が
私共国民に何をお伝えになりたかっ
たか。

普通の国語力があれば誰にも誤解の余地はあるまい。

ところが、それを素直に受け入れようとしない、
国民から孤立した一握りの者らがいる。

その中に「歴代天皇の大御心(おおみこころ)」
なるものを振り回す人らもいるらしい。

我々は「歴代天皇の大御心」に“こそ”従う、と。

要は、陛下のじきじきのお言葉に背を向けるか、
半身(はんみ)
に構えよう、という不埒(ふらち)な話。

今上陛下のお気持ちに従わないで、
「歴代天皇の大御心」
に従うとは一体、どういうことか。

陛下こそ、紛れもなく「歴代天皇の大御心」を体されて、
この度のお言葉をお示しになったのではないか。

それなのに、陛下のお気持ちと歴代天皇の大御心を、
ことさら二項対立的に位置付けようとするとは。

極めて悪質かつ危険な「反逆」的思考と言う他ない。

そもそも、軽々しく「歴代天皇の大御心」と言うが、
その具体的な中身は?

 誰がその中身を“特定”するのか。

その特定の“正しさ”は、何処の誰が保証するのか。

結局、陛下のお気持ちから隔たった、自分らの狭く低く頑な考えを、
あろうことか「歴代天皇の大御
心」と言い張るという、とてつもない
不遜に陥るだけ。

そう言い張って、陛下のお気持ちを撥(は)ね付ける事実上の
反逆」を、自他に対して誤魔化すだけ。

二重に皇室を汚す振る舞いだ。

その1つは、陛下のお言葉に背を向け、従わないこと。

もう1つは、歴代天皇の大御心を(陛下のお気持ちとは“違う”何かと)
勝手に決め付けようとすること。

しかも、それに対して「いや、歴代天皇の大御心はそうではない。
実はこうだ」と言い出す者が“
無限に”出てくるのを、
“原理的に”防げない。

昭和20年8月15日を想起せよ。

あの時、玉音放送に対し、
いや、俺達は“歴代天皇の大御心”に従う」と言い張って、
玉音放送にそっぽを向く者どもが次々と現れたら一体、どうなったか。

しかし、当時の国民にそのような不遜な愚か者はいなかった。

粛然と玉音放送に従った。

平成の圧倒的多数の国民も、恭(うやうや)しく玉音放送に
従おうとしている。

それに対して、ごく一握りの者らが「歴代天皇の大御心」を
持ち出して、
従わない口実にしているとか。

国民の中に、たとえ僅かでも、このような者らがいることが
申し訳なく、恥ずかしい。

まさか、よりによって神社関係者には、
そのような者はいないだろうが。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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