ゴー宣ネット道場

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笹幸恵
2016.11.14 15:17

MFC(美智子さまファンクラブ)に入ってしまうかも

小林先生と井上達夫先生の『ザ・議論』を拝読しました。

送ってくださり、ありがとうございました。

一気に読んでしまいました。

何というか、飾らない、小気味いい議論の展開で、

不思議な爽快感が残りました。

 

といっても、「一気に」=「スラスラ読めた」と

いうことではありません。

とくに井上先生のアタマの中は、

複雑すぎて、知性がほとばしっていて、

私の脳みそでは消化しきれない箇所もあります。

だからもう一度、ゆっくり咀嚼しつつ、

読み直さなければなりません。

 

それにしても不思議なのは、天皇制についての見解です。

天皇陛下のお言葉に対する理解や思いは一緒なのに、

天皇制が必要かどうかは全く逆の意見になる。

その思考プロセスをたどっていくのが一読者として

とても刺激的でした。

 

小林先生は、天皇が民間に下れば、

「胡散臭さのまったくない宗教になる」と言います。

それを利用する人も出てくるかもしれず、

時の権力を倒そうとする革命勢力にもなりかねない、と。

 

私は天皇陛下よりも、正直、美智子さまが民間に下ったら、

ファンクラブには入ってしまうかもしれません。

多分、自発的にMFC(美智子さまファンクラブ)はできあがるはずです。

それが帰依であるという自覚はなくとも、またMFCにそうした

宗教的要素がなかったとしても、美智子さまが現れただけで

うっとりしてしまう集団なら、いつ宗教的な団体となってもおかしくないでしょう。

そのうち、「美智子さまが触った高貴な壺です」とかいう

怪しげな壺を買ってしまうかもしれません。

 

一方で、井上先生の提唱する「下からの天皇制」は、

よほど民衆が賢くならなければ難しいのではないか、と思います。

それだけの政治的な主体性を、自分を含めて日本国民は持っているのかなあと

考えると、甚だあやしい。

とはいえ、例として出されていた「松山鏡の娘」の話は胸に突き刺さりました。

もしかしたら私も、美智子さまを好き勝手にイメージして、

それを投影しているだけかもしれないなあ。

いやいや、美智子さまは本当に素敵で、敬愛すべき存在なのだ。

ん、ちょっと待てよ。これは教祖さまを想う気持ちと何が違う?

こうして話はまたMFCに逆戻り。

 

「天皇制は国民の政治的主体性や価値判断に対する責任意識などを

弱めてしまう」

井上先生のこの言葉にはハッとしました。

そうした側面は、自分の心の中にも確かにあるからです。

日本は天皇を頂いているのだから、いざというとき何とかなる、

という、なーーんの根拠もない無責任な楽観。

 

とはいえ、天皇制を廃止したら国民の責任意識は

果たして健全な形で芽生えるのだろうか・・・。

よほど自立した意思の持ち主でないと、難しいのではないか・・・。

いますぐでなくても、大衆はそのように変化するのかなあ・・・。

 

そんなわけで、議論の展開を目で追いながら、

アタマではそれに付随したいろんな考えが浮かんでは消え、

消えては浮かび、さらに議論の中身がそれに上乗せされ・・・

と、脳みそが壊滅的打撃を受けながらも読み終えたという次第です。

 

あんまりあれこれ書きすぎてネタバレになっても

いけませんので、やめますが、あと一つだけ。

 

井上先生の憲法改正案にはテンションが上がりました!

 

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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