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高森明勅
2016.11.15 01:32

健全な庶民、愚劣な「識者」

いわゆる「識者」の意見より庶民の健全な感覚の方が
遥かに正しい場合が、
しばしばある。

さしずめご譲位を巡る有識者会議のヒアリングなんぞ、
その典型例か。

直近の産経新聞とFNNの合同世論調査(11月12日・13日実施)
では「
今後すべての天皇が譲位できるようにすべきだ」との回答が
70.
3%、
「今の天皇陛下に限り、ご譲位できるようにすべきだ」
が22.3%、
「譲位を認めるべきではない」5.3%。
という結果。

9割以上が“譲位を可能にすべし”としている。

これまでの各種世論調査の結果もほぼ同様。

陛下のお気持ちを何とか叶えて差し上げたい―
というのが圧倒的多数の国民の考え方だ。

ところが、ヒアリング対象者たちはどうか。

皇室典範を改正して譲位制を採用し
今後すべての天皇が譲位できるようにすべきだ」
という立場をはっきり表明したのは、これまでヒアリングを済ませた
11人中、岩井克己氏1人だけ。

特措法で「今の天皇陛下に限り…」というのも
保阪正康・所功・
石原信雄氏の3氏だけ。

他の7人は、「譲位を認めるべきではない」として、
天皇陛下が8月8日のお言葉で具体的に排除すべき
ご意向を明らか
にされた摂政の設置、国事行為の臨時代行、
ご公務の削減を「強制」せよと、
公然と主張している
(古川隆久氏は原則として譲位に反対だが、
国民の多くが望むなら
典範を改正して認める)。

政府が、わざわざ「反逆者」たちの意見発表会を開催している
ようなものだ。

但し、11月14日のヒアリングでも会議のメンバーからの質問には
興味
を惹くものがあった。

「(高齢の天皇に)終身在位を求めることは尊厳を損ねることに
ならないか」
渡部昇一氏への質問)

「天皇と摂政が併存する場合、『象徴』はどちらかという
問題は生じないか」(同)

「(陛下のお気持ちに従って)国民の多くが退位を求める場合は?」
笠原英彦氏への質問)

これらの質問のどれにも満足な答えはなされていない。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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