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高森明勅
2016.12.4 01:00

やはり特例法でのご譲位は憲法違反

私はかねて、天皇陛下のご譲位を特例法で行うやり方は憲法違反だ、
と主張して来た。

憲法を普通に読めば、そのように理解する以外にないからだ。

ところが憲法・法律の専門家の反応がどうも鈍い。

と思っていたら、弁護士の倉持麟太郎氏が憲法上の規定のあり方
(10条、17条、
27条、47条)を検討。

それらではただ単に「法律でこれを定める」等となっているのに対し、
皇位の継承については「皇室典範の定めるところにより」(2条)
限定している。

この事実から、憲法は皇室典範によることを「要請」している
(=特例法を「禁止」している)と指摘された。

又、憲法学者の木村草太氏も次のように指摘する。
「憲法2条は、
単なる『法律』ではなく『皇室典範』で定めよと
わざわざ規定した。
これは、特別法を禁止し、
一般的なルールを皇室典範という形で
定めよとの趣旨と読むことも
できる。
生前退位を認めるなら、
明確な基準と厳格な手続きを確立し、
皇室典範に定めるべきだろう」。

更に、元内閣法制局参事官の鎮西迪雄氏も明確に違憲と断定する。

天皇の退位は、皇室典範の改正によってのみ可能なのであって、
特例法その他の法律による対応は明白な憲法違反であることに議論の
余地はない。
法体系上は、
皇室典範も法律と位置づけられるが、皇位の継承、
摂政の設置について憲法による直接の委任を受けた特別の法律である。
憲法で、下位法令を固有名詞で引用するのは極めて異例だ。
特例法を含め、他の法律では代替できない。
第4条第2項では『
天皇は、法律の定めるところにより、その国事に
関する行為を委任することができる』、第5条では『
皇室典範の定める
ところにより摂政を置くときは』とするなど、
明白に書き分けている。
…天皇の退位については、
恒久措置とするか、特例措置とするかに
かかわらず、憲法上、
皇室典範の改正以外の選択肢はあり得ない」
たとえ“一代限り”
でも、典範に根拠規定を追加しなければ違憲である、
と明快に述べている。

ならば、特例法によるご譲位が行われたら、いかなる形でも
次の天皇のご即位も違憲となる。

安倍政権は、まさかそのような歴史上例を見ない暴挙を、
敢えて強行しようとしているのではあるまいな。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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