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笹幸恵
2016.12.22 15:26

民進党の論点整理(読売ver.)

天皇陛下の退位をめぐり、民進党の論点整理が

読売新聞にも掲載されていました。

もう御覧になっている方も多いと思いますが、念のため、

もう一度ざっくり見ておきましょう。

 

【論点整理のポイント】

〇天皇の退位を認めるべき

〇特例法ではなく、皇室典範改正で退位の恒久制度化を図るべき

〇皇室典範には、「天皇は、皇嗣が成年に達しているときは、

その意思に基づき、皇室会議の議により、退位することができる」

との項目を加えるべき

〇憲法2条は皇位継承を「皇室典範の定めるところにより」と

規定している。特例法では、違憲の疑いを生じさせるとの指摘もある

〇皇室典範改正が特例法(制定)と比べて長期の時間と膨大な作業が必要との

指摘はあたらないとの意見も少なくない

〇女性宮家の創設が可能となるよう皇室典範を改正すべき

 

私は全くマトモな主張だと理解していますが、

記事を読んで気になったのは二つ。

 

一つは、論点整理の表現が修正されたという話。

 

関係者によると、論点整理では当初、政府が検討する

特例法による退位について「違憲の疑いを生じさせる」

という表現があったが、「生じさせるとの指摘もある」に

修正された。ある党幹部は「最終的に政府の特例法に

賛成する余地を残すため、表現を弱めたのだ」と解説した。

 

これ、何を言いたいのかな?

発表前の修正プロセスを書くからには

何か意図があるのでしょう。

民進党が「本当は弱気だぞ(強く出れば特例法に賛成するぞ)」という

含みを持たせているのだろうか。

それとも本当に民進党は弱気なんだろうか。

5つ目の論点もちょっと「とってつけた感」があります。

 

膨大な作業が必要との指摘はあたらないとの意見も少なくない

 

やんわり感を出そうという民進党の意図?

 

それからもう一つ、記事に合わせて記者の主張のようなコラムが

掲載されている。

ここでは民進党の論点整理が「与野党合意による

退位実現に向けたハードルとなる可能性がある」と指摘。

民進党案に釘を刺しているような印象を受けます。

さらに、特例法の違憲性について菅官房長官のコメントを紹介。

 

「憲法に抵触するかどうかは当然、内閣法制局とも相談しながら

(抵触しないよう法案作りを)進める」と述べた。

 

いやいやいや。

憲法2条は皇位継承を「皇室典範の定めるところにより」と

規定しているんですよ?
特例法では違憲の疑いを生じさせる、どころか、明らかに違憲。

Aで定めると書いてあるのにBで定めようってんですから。
子供にもわかる話です。

それとも安保法制のときの集団的自衛権と同じように

無理やり、理屈にもなっていない理屈をこねくり回して、

ウルトラ解釈でも打ち出そうというのでしょうか。
だとするなら、我が国はもはや立憲主義国家ではありません。

 

それにしても読売新聞、

与野党が対立するぞ、

議論がヒートアップするぞ、

と脅すような記事を書くだけですか?

 

天皇陛下にとって、将来の皇室にとって、

そして国民にとって何があるべき道なのか、

メディアは真摯に検証してほしいと思います。

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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