耳を澄まして心を研ぎ澄ますと、風と、波の音とともに、
兵士たちの声が聞こえてきます。
あの日、日曜の朝の、明るく寛いだ、弾む会話の声。
自分の未来を、そして夢を語り合う、若い兵士たちの声。
最後の瞬間、愛する人の名を叫ぶ声。
生まれてくる子の、幸せを祈る声。
一人、ひとりの兵士に、その身を案じる母がいて、父がいた。
愛する妻や、恋人がいた。
成長を楽しみにしている、子どもたちがいたでしょう。
それら、すべての思いが断たれてしまった。
広島訪問時のオバマ大統領の「空から死が舞い降りた」に匹敵する、
いやそれ以上に陳腐な――というか、
どこの国の純情な少女のセリフかと思うような、
感傷的な安倍首相の演説。
皆さんが送ってくれたセーターで、ミルクで、日本人は、未来へと、
命をつなぐことができました。
そして米国は、日本が、戦後再び、国際社会へと復帰する道を
開いてくれた。米国のリーダーシップの下、自由世界の一員として、
私たちは、平和と繁栄を享受することができました。
どれだけ生ぬるい歴史観なのかしら。
どれだけアメリカに阿れば気が済むのかしら。
ちなみにミルク(正確には脱脂粉乳)を送ってくれたのは、
海外にいる日系人たちが中心です。
それだけ詩的な想像力があるのなら、
国内で生活に苦しむ人々に目を向けてくれ。
(要約)
アメリカ様、兵士たちをたくさん死なせてしまってごめんなさい。
アメリカ様、敵である日本軍兵士をたたえてくれてありがとう。
アメリカ様、ミルクを送ってくれてありがとう。
アメリカ様、日本を一人前にしてくれてありがとう。
アメリカ様、これからも寛容に日本を受け入れてね。
アメリカ様、これからも「希望の同盟」で日本を守ってね。
結局この人、原爆で命を落とした無辜の民や、
国のために必死で戦った日本軍兵士のことは
全く頭にないんですね。
日本は、アメリカの51番目の州なのだ。
その州知事の演説だと思えば、しっくりくる。
あーーー情けないッ