ゴー宣ネット道場

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笹幸恵
2016.12.28 07:43

真珠湾での安倍首相の演説

耳を澄まして心を研ぎ澄ますと、風と、波の音とともに、
兵士たちの声が聞こえてきます。

 あの日、日曜の朝の、明るく寛いだ、弾む会話の声。

 自分の未来を、そして夢を語り合う、若い兵士たちの声。

 最後の瞬間、愛する人の名を叫ぶ声。

 生まれてくる子の、幸せを祈る声。

 一人、ひとりの兵士に、その身を案じる母がいて、父がいた。
愛する妻や、恋人がいた。
成長を楽しみにしている、子どもたちがいたでしょう。

 それら、すべての思いが断たれてしまった。

 

 

広島訪問時のオバマ大統領の「空から死が舞い降りた」に匹敵する、

いやそれ以上に陳腐な――というか、

どこの国の純情な少女のセリフかと思うような、

感傷的な安倍首相の演説。

 

 

皆さんが送ってくれたセーターで、ミルクで、日本人は、未来へと、
命をつなぐことができました。

 そして米国は、日本が、戦後再び、国際社会へと復帰する道を
開いてくれた。米国のリーダーシップの下、自由世界の一員として、
私たちは、平和と繁栄を享受することができました。

 

どれだけ生ぬるい歴史観なのかしら。

どれだけアメリカに阿れば気が済むのかしら。

ちなみにミルク(正確には脱脂粉乳)を送ってくれたのは、

海外にいる日系人たちが中心です。

 

それだけ詩的な想像力があるのなら、

国内で生活に苦しむ人々に目を向けてくれ。

 

  (要約)

アメリカ様、兵士たちをたくさん死なせてしまってごめんなさい。

アメリカ様、敵である日本軍兵士をたたえてくれてありがとう。

アメリカ様、ミルクを送ってくれてありがとう。

アメリカ様、日本を一人前にしてくれてありがとう。

アメリカ様、これからも寛容に日本を受け入れてね。

アメリカ様、これからも「希望の同盟」で日本を守ってね。

結局この人、原爆で命を落とした無辜の民や、
国のために必死で戦った日本軍兵士のことは
全く頭にないんですね。

日本は、アメリカの51番目の州なのだ。

その州知事の演説だと思えば、しっくりくる。

あーーー情けないッ絵文字:怒る

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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