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高森明勅
2017.1.22 06:40

立憲主義の正反対

先に自民党改憲案について触れた。

それを読んで、同改憲案が“綺麗に”立憲主義の
正反対になっている事実に、
気づいてくれた人たちがいるようだ。

立憲主義の要点は、前にも引用した伊藤博文の発言に
尽きているだろう。

「抑(そもそも)憲法ヲ創設スルノ精神ハ第1(は)
君権(君主の権力)
ヲ制限シ、第2(は)臣民(国民)ノ
権利ヲ保護スル二アリ」(『
枢密院会議議事録』第1巻)と。

これに対し、自民党は憲法尊重擁護義務について、
以下の改正案を打ち出した。

「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。
2国会議員、
国務大臣、裁判官その他の公務員は、
この憲法を擁護する義務を負う」と。

国民は憲法を尊重しなければならない。

その一方、天皇(又は摂政)には
「尊重し擁護する義務」(現行条文)は、
一切なくなる。

非立憲主義的といより、明確に反立憲主義そのもの。

自民党は伊藤博文「以前」の憲法を目指している。

それは、もはや「憲法」ではあるまい。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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