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小林よしのり
2017.1.26 00:22メディア

朝日新聞の社説を褒める


昨日の朝日新聞の社説を褒めておきたい。

「退位の論点」として「結論への誘導が過ぎる」という

見出しで載っていた。

 

天皇退位をめぐる政府の有識者会議の論点発表があまりに

無茶苦茶で、「結論ありき」だということは誰もが知る

事実になった。

 

「一代限り」は退位の要件や基準を示さないので、国会の

多数を占める与党の意向で、強制退位させることもできる。

 

例えば、保守論壇の中で一時「廃太子論」が出たことがある。

皇太子殿下を追い払って秋篠宮殿下を次の天皇にしようと

いう主張だ。

この主張はまた復活することはあり得る。

皇位を秋篠宮に譲れば、悠仁さまを皇太子にすることができる

からだ。

これは男系原理主義者にとっては魅力的な策謀だろう。

 

「一代限りの特例法」は、将来の政権与党が恣意的な判断で、

天皇を退位させることを可能にする。

実に危険な前例を作ることになる。

 

ところが根本的に無知な有識者会議では、「一般的な要件を

定めると、時の政権の恣意的な判断が、その要件に基づく

ものであると正当化する根拠に使われる」と真逆な見解を

出している。

 

これに対して朝日新聞はこう言う。

「ルールがあると権力の勝手を許すという主張で、理解に苦しむ。

この論法に従えば、世の中に法律や規則はないほうがいいという

話にもなりかねない」

笑ってしまうが、その通りである。

 

天皇の自由意思で退位が行われるのを防ぐ策として「皇室会議」

の議決を要件の一つとするのは全く有効なのに、無知な有識者

会議の論点整理では、「三権分立の原則にかんがみ不適当」

一蹴しているのだ。

 

これに対して朝日新聞は「皇室会議は皇位継承順位や皇族の結婚、

身分の離脱、摂政の設置などを審議する機関だ。」

「退位に関する手続きににかかわることが、なぜ三権分立を侵す

のか。皇室会議の議によって決める事項と天皇の退位とは、

本質において、どこが、どう違うのか、詳しい説明はない」

と書いている。

全くその通りだ。

 

「一代限りの特例法」という結論に導くためには、このような

ペテンだらけの論理を用いるしかあるまい。

朝日新聞に論破される「保守」って一体何なのだ?

安倍政権も、自称保守論壇も、ネトウヨも、オール似非!

保守とは似て非なるものだったということだ。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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