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高森明勅
2017.4.1 23:00

上皇后?

天皇陛下がご譲位された後の皇后陛下の称号は
「上皇后(
じょうこうごう)」という案があるという。

皇室典範には、「皇太后(こうたいごう)」という
古代以来の伝統ある称号が既に存在する。

それとの整合性はどうすのか。

皇太后は「崩御(ほうぎょ)された天皇の皇后」という
“イメージ”があるから避ける、とか。

イメージで議論されても困る。

前近代の例を振り返れば、別に崩御された場合に限らない。

皇太后は元々、天皇の母で后位に登った方の称号で
(『令義解』)、
崩御とは関係ない。

報道では、上皇の皇后だから上皇后、などと説明していた。

しかし、正式には太上天皇。

略称に対応した称号を考案してどうする。

もし上皇が先に崩御されたらどうするつもりか。

その時になって皇太后に称号を変更するのか。

ご譲位を巡る政府の迷走はとどまる気配がない。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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