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高森明勅
2017.4.19 23:00

有徳と有能

ご譲位を受け入れるか、否か。

それは2つの天皇像の対立だった。

「国民に寄り添う」天皇か、
「国民と無縁な」天皇か。

天皇陛下ご自身は前者の天皇像を長年、
全身全霊で追求し、
実践して来られた。

皇太子殿下も秋篠宮殿下も同様。

勿論、圧倒的多数の国民もそのような「天皇」にこそ、
素直な敬愛の念を抱いているだろう。

これは“能力主義”だという批判がある。

国民から孤立した一握りの保守論者らの言い分だ。

でも全く見当外れ。

誰も天皇が「有能」であることなどは求めていない。

有能な政治家や官僚ならいくらでもいるだろう
そんなことはないか)。

それらを凌駕したり、それらと張り合うような
「能力」など、
国民は天皇に期待していない。

有能な者らが十分その能力を発揮できる前提となる社会的条件を、
根底で支えるのが皇室の役割。

その皇室がこれまで長く存続してきた背景の1つは、
「有徳」
の天皇が多くおられた事実による。

今の天皇陛下も、自ら徳の有る君主であろうと、
努めておられる。

徳とは何か。

善い行いをする性格」
「身に付いた優れた品性」
他人を敬服させる人格の力」
などを指す。

それが皇室の伝統の大切な核心だ。

有徳と有能を混同するな。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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