ゴー宣ネット道場

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切通理作
2017.8.4 09:00

議論できない「炎上」国民

今週はゴー宣ネット道場「せつないかもしれない」の収録をさせて頂きました。

今回二度目のゲストに来て下さった映画監督・西村喜廣さんは、海外の映画祭をまわっている内に、所謂「炎上」という言葉が、日本でしか通用しないことに、気付いたそうです。

 

ツイッターもフェイスブックも世界中で使われています。けれど、意見の違う者をみんなで叩く「炎上」という行為は、たとえば西洋では認識されておらず、他人と意見が違っても「この人は自分と違う意見の人なんだな」という認識をお互いが持つだけだというのです。

 

つまり、同様圧力で個人を圧殺しようという空気がない。

 

私はこれを聞いて、次回ゴー宣道場ゲストの井上達夫さんが、かつて小林よしのりさんとの対談本『ザ・議論』の中で、意見の違いが議論にならず、「市民対市民」つまり「個人対個人」の意見のぶつかり合いにならずに、「お上のせい」にして、「権力におもねった者を叩く」という集団心理に傾斜しやすい日本人の特性について言及していたことを想起しました。

 

いつもお上に任せっきりで自分の頭では考えない癖に、なにかあるとお上のせいにする。だから憲法論議も、議論の水準にまで行かない。

 

このまま、平和の名のもとに戦争を容認するという、自らの考えの矛盾自体に気づかない国民が圧倒的多数のまま、まやかしを続けていくのでしょうか。

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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テーマ: 「コロナ後のリベラル」

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