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切通理作
2017.8.15 11:45

戦争体験の本質


  
敗戦の日、それは、戦争で死んだ人たちへの後ろめたさを感じる日。

 一年前に刊行した、私の母との対談集『15歳の被爆者 歴史を消さないために』(彩流社)の中では、被爆から生き残った母が、死んだ人への申しわけなさの感情を抱えながら生きてきたことが語られています。

 そして母とともに被爆地・長崎へ行き、多くの戦争体験の語りには、「死んでしまった人への、生き残った者の申しわけなさ」があらわれていることを知りました。

 それは、直接は戦争を知らない自分でも、向き合うべき感情ではないだろうかと、思います。

「あなたは、いまなぜ、生きているの?」

 その理由は、歴史を引き受け、語り継ぐ主体であり続けることにしか、ないのではないか。

 自分に体験がなくても「戦争を知らない子どもたち」であっていいはずはない。

 天皇陛下が、「反省」を口にするのは、自らを歴史的主体と認じているから。

 そう思えてなりません。

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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テーマ: 「コロナ後のリベラル」

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