ゴー宣DOJO

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笹幸恵
2017.8.31 07:16

私の男尊女卑考

「これって男尊女卑かなあ?」

ゴー宣の打ち合わせなどで、小林先生は時折、

こう口にします。

最近のケースだと、男性秘書に罵詈雑言を

浴びせていた女性議員に対して。

 

「わしだったら、バカヤローと殴って、

男の怖さを知れ!って思うんだけど・・・

これって男尊女卑かなあ?」

 

皆さんはどう感じるでしょうか。

私は、これは男尊女卑ではないと思っています。

人の尊厳を踏みにじるような言動をする人間に対して、

いくら口で言ってもわからん女なら

「バカヤロー」と殴ってわからせる。

男とか女とかいうより、むしろ人としての愛情です。

 

では、「男の怖さを知れ!」と思うのはどうでしょうか。

男尊女卑?

 

いえいえ。

図に乗った女を黙らせるには

格好の手段だと私は考えています。

 

私は小学生のとき、傍若無人なふるまいをする同級生(女)が

あまりに腹立たしくて、無言で平手打ちをくらわしたことが

あるのですが、今思っても、ちょっと迫力に欠けたよなあ。

 

万能感があり余って、世の中なんでも自分の思い通りになると

つけあがる女に対して、どうしようもない力の差を見せつける。

それは「大人の男」にしかできないこと。

だって殴られた女の痛みも、同時に引き受けなければ

ならないのですから。

大変なことですよ。

 

では男尊女卑とは何ぞや? 

 

門弟の方々のメーリングリストでも

「牛乳石鹸CM」で盛り上がっていましたが、

そもそも男性が家事をやる・やらないが男尊女卑の基準かなあ???

これって、それぞれの夫婦の価値観とか

長年の習慣とか話し合いとかで

変わってくるものではないでしょうか。

ちなみに我が家では、ゴミ出しやトイレ掃除は

夫には基本やってほしくありません。

だから、やらせません。

これは夫がどうというより、私の価値観。

ただ、アマゾンで大量にモノを頼んで段ボールが山積みに

なっているのを見たときは、自分で資源ごみに出してくれ、と思います。

これも、私の価値観。

 

夕飯の片付けくらいはしてくれよーーと思いますが、

夫が疲れて帰ってきているときはすべて私がやります。

でも私がとても疲れているときは「頼む」と言って、

あとで褒めちぎります(ホントにピカピカにするので)。

ちなみに夫が家にいて、私が外で仕事がある日などは、

「夕飯つくって待っていてくれたらなあ」と夢想しますが、

こちらは長期の教育期間を必要とするので、いずれ折を見て。

 

ただし子供が家に来ているときは、夫には一切何もやらせません。

夫にも、「座ってデンと構えていなさい」と

あらかじめ言ってあります。

そして娘にお膳立てや片づけを手伝わせます。

数年前、案の定、まだ学生だった娘が

「なんで父ちゃんは何もやらんのじゃ」と文句たれたことがありますが、

そんなもん「誰に食わせてもらってんのじゃ」で終わりです。

うちは少々複雑な家庭環境ですが、子供はお客様ではありません。

昭和的な価値観かもしれませんが、大黒柱が誰かをわからせるのも、

母親の役目と思います。

 

私が思う男尊女卑とは、

女だというだけで無意識かつ自動的に「自分より劣った存在」と見ること、

女の意思や主体性を最初から無いものとするか、

あるとわかってもそれを軽く扱うか無視すること、

それゆえに自分の思い通りになると考えたり、

女性の尊厳を著しく踏みにじること、です。

 

「お前が産め」という議員のヤジや、

「男を産め」などという男系カルトなんか、この典型でしょう。

 

小林先生がこれに当てはまるかと言ったら、

うーーーむ、むしろ逆じゃないでしょうか。

家事は一切やらない、台所に入らない。

でもそれは奥様の価値観でしょう。

家事は一切やらせない、台所に入らせない、のです。

(家の中で洗濯機がどこにあるかもわからない、と

聞いたときにはさすがにビックリしましたが)。

女性の意思を尊重して、こんなになっちゃったのです!

 

ゴー宣道場の中でも、女性だというだけで軽く扱われたり、

劣った存在として尊厳を踏みにじられるようなことは皆無。

聞くべき意見には耳を傾ける。

そこに男か女かは関係がない。

小林先生はそこが徹底しているので、ゴー宣道場初期の頃、

私は内心、本当に驚きました。

それまでいかに私の周囲には男尊女卑傾向の強い

自称保守おじさんが多かったか、ということでしょう。

 

先生が女好きかどうか、本当のところはわかりません。

けど、女性にモテるだろうなあということはわかります。

だって女性が喜びそうなポイントを押さえますから!

打ち合わせのお店だって、もくれんさんや私が喜びそうな店を

いつも考えてくれます。

むしろ、女性の主体性を尊重しまくっている(男はないがしろ)。

 

逆に言えば、世の男尊女卑の方々は、おそらく家庭で

あまり大事にされていないんだろうなあ。

妻の主体性を無視する夫なんか、

妻にとっくに見捨てられているはずだもん。

「家事をやらない」というのも、厳密には、

家事を見下していたり(自分はできないくせに)、

そんな些事をやるのは女だろ、という決めつけや甘えがあったり、

どんなに疲れていても女が家事をやるのは当たり前、というような

思いやりの欠如や相手を尊重する気持ちの欠如だったりするのでしょう。

女はそういうのには確かに敏感だし、そんな夫を蔑むようになる。

すると夫は家に居場所がなくなって、同じような境遇の人の集まりや

ネットにしがみついて、「男のほうがえらいんだぞー」と

さみしく声をあげるよりほかにない。

「名誉男性」化した女は、そんな男に阿って、

自分の居場所を確保するわけだから、女も女だけど。

 

男を育てるのは女、

女を輝かせるのは男、

そんなふうに世の中がなったらいいと思うのだけどなあ。

 

ちなみに遅ればせながら、牛乳石鹸CMで私が気になったのは、

「こんな時間まで子供が起きてるの!?」ということと、

「こんな時間にケーキ食べたら糖質過多で全部脂肪になるじゃん!

(でもつい食べちゃうよねー)」

ということでした。

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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テーマ: ゴー宣DOJO in名古屋「人権カルトと日本人論」

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