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高森明勅
2018.1.4 22:00

自由vs民主

自由民主党(自民党)という政党がある。

このような政党名から、「自由」主義と「民主」主義が
“常に”整合的で調和する、
という誤解が生まれかねない。

勿論、そんな事はない。

民主主義では、
しばしば多数者の横暴が罷り通り、
異論を抑圧し、
多様性を憎み、
少数派や弱者を排除しようとする傾向が見られる。

独裁者が求められ、
むしろ権力の強大化が期待される。

こうした場面では、
自由主義と民主主義は、
はっきりと対立し、
敵対する。

民主主義でありつつ、
人々の自由に配慮した形が、
自由主義的民主主義だ。

権力の集中を避ける三権の分立。

議会内部でチェックの機会を設けようとする
二院制の採用など。

いずれも自由主義的民主主義の知恵と言うべきだ
(それが現状、
本来の主旨に則って機能しているかは、
別に問題となるが)。

自由主義的民主主義の対極にあるのが、
“裸の”民主主義。

多数派支配に一切ブレーキをかけない民主主義。

これは自由を圧殺する全体主義的民主主義だ。

だから、民主主義にも2種類ある。

1つは、自らの限界を自覚し、
ポピュリズムの暴走を防ぐ仕組みやエートスを大切にする、
自由主義的民主主義。

もう1つは、民主主義そのものを絶対化し、
ひたすらその貫徹のみを目指す、全体主義的民主主義だ。

全体主義的民主主義は、どこかで道を引き返さないと、
たちまち民主主義が“蒸発”し、全体主義そのものへと純化される。

従って、民主主義を本気で維持したいのであれば、
自由主義的民主主義を選ぶしかない。

こうした文脈でこそ、
自由主義と民主主義は手を握る。

その自由主義的民主主義を実効あらしめるには、
人々の自由を守る為に、どうしても立憲主義を
取り入れる必要がある。

つまり民主主義は、
全体主義への転落を避けるには、
自由主義的民主主義を選ばねばならず、
その自由主義的民主主義を突き詰めると、
立憲主義的民主主義に行き着く。

今の自民党は、かような経緯を、
きちんと認識しているだろうか。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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