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高森明勅
2018.3.2 22:00

裁量労働制拡大「削除」の教訓

安倍首相は今の国会を「働き方改革国会」と名付けていた。

その目玉が「裁量労働制」の拡大。

それを“全面削除”する羽目に陥った。

今年の政治日程がスタートして早々の予想外の躓(つまず)き。

どうしてこんなみっともない顛末になったのか。

安倍首相が振り回していたデータの余りの杜撰さに、
自民党内からさえ批判の声が噴出した事実も、その一因だろう。

9月には自民党の総裁選が控えている。

ここで無理をすべきではない、と判断したのではないか。

それが安倍氏にとって吉と出るか、凶と出るかは、
まだ予断を許さない。

だがそれはいずれにしても、政権の方向性を左右する上で、
当然と言えば当然ながら、
自民党内の動きが小さくない力を
発揮し得ることを、
改めて実感させた出来事だろう。

それだけ安倍「一強」に翳りが出ているという事でもある。

今後の憲法改正を巡っても、自民党内の良識派の役割は
極めて重大になるはずだ。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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