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高森明勅
2018.3.16 22:00

障害者スポーツへの天皇盃

かねて天皇陛下は、社会的に弱い立場にあったり、
困難な状況に置かれたり、様々なハンディキャップを
背負っていたりする人々に対して、
取り分け御心を寄せてこられた。

障害者へのお気持ちも深く厚いいものがおありだ。

現在の全国障害者スポーツ大会(
前身は全国身体障害者スポーツ大会)
も、
元々は皇太子時代の陛下のご提案がきっかけとなっている。

皇太子時代には、こんな発言もされている
(昭和53年、
45歳のお誕生日を前に)。

「毎年、身体障害者全国大会に行ってます。
それから、
各地の身体障害者の施設を訪問している
わけですけれども、
身体障害者でない人が身体障害者のことを
本当に考えるということ
は非常にむずかしいことなんじゃないか、
気持ちを同じくすることは本当にむずかしいんじゃないかと
いつも
感じるわけなんです。

…身体障害者も、スポーツを、健康のためとそれから
心の健康のために、
味わってほしいと願うわけです。
しかし、
身体障害者の人がスポーツをやるというのは、
今はまだあまりにも障害が多いわけです。
就職の問題とかありますけれども、
そういうことを別にしても、
施設なんかが
足りないわけなんですね。

バスケットなんかでも2時間くらいかけて行って
練習してくるような人達がほとんどなん
じゃないかと思うんです。

何とか皆が少しでもスポーツを楽しめる、
それによって、
心の明るさも健康も作っていくように
なっていけばいいんじゃない
かなと、いつも考えているわけなんです」
と。

そうした中で、障害者スポーツは目覚ましく発展した。

その結果、先頃、障害者スポーツにも天皇盃・皇后盃が
下賜されることになった(
3月13日、宮内庁発表)。

「障がい者スポーツは、もともとリハビリとして
始まったものでしたが、
天皇陛下は早くから、
一般のスポーツと変わらずに、
これを行う人は勿論のこと、
観戦者とともに楽しむスポーツとして発展して行くことを
期待され
てこられました。

昨今、障がい者スポーツの記録が健常者に追いつくほどの
高水準に達して
いる競技も数多く見受けられるようになり、
リハビリを超えた競技性の高いものとなってきました」
(宮内庁)

そうした観点から、天皇陛下のご譲位の前に、
新しく障害者スポーツを対象とした天皇盃・皇后盃の下賜が、
決まった。

対象となるのは以下の大会だ。

日本車いすバスケットボール選手権大会(優勝チームに天皇盃)

日本女子車いすバスケットボール選手権大会(優勝チームに皇后盃)
飯塚国際車いすテニス大会(男子シングルス優勝者に天皇盃、
女子シングルス優勝者に皇后盃)
全国車いす駅伝競争大会(優勝チームに天皇盃)

障害者スポーツに携わる人々には大きな励みになるだろう。

又、障害者スポーツそのものの社会的評価も一層、高まるだろう。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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