ゴー宣DOJO

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倉持麟太郎
2018.5.8 02:43

6月ゴー宣道場に井上武史先生登場!

去る5月3日のゴー宣道場拡大版も大成功に終わった。枝野代表は「僕は立憲的改憲論ですから」と、「言っちゃった」ことはかなり大きい。

そして、翌日の新聞の一面には、護憲、改憲、そして我々立憲的改憲が「三極」として掲載された。私は運動家ではないのでよくわからないが、はっきりいってこの日に集まった人数なんてどうでもよいと思っている(とはいえこの応募期間で運動家ではない個人が400人超えはそれ自体で凄まじい)。なぜなら、動員などくだらなくて、その思想の背後にどんな人々がどれくらい潜在的に背後に控えているかが重要だからだ。おそらく立憲的改憲の背後に広がる地平が一番広い、なにせ左右に属さないサイレントマジョリティーに対する訴求力が最も強く、未知で無限の可能性があるからだ。

 とうとう朝日や毎日レベルが立憲的改憲論を「第三極」と謳い始めた。立憲的改憲は明らかに違うフェーズに移行した、その記念碑的な1日であっただろう。

 

 さて、局面が変わった立憲的改憲、ゴー宣道場憲法シリーズも佳境である。

 次回6月のゲストは九州大学の井上武史准教授である。

 

 井上先生は、自民党の憲法改正推進本部にも深くコミットされ、中央公論5月号でも、高村正彦副総裁の対談相手として、寄り添いながらも突っ込むという妙技を発揮されており、是非ご一読いただきたい。井上先生自身の単独の論稿も収録されている。

 2015年安保法制の議論では、安保法制を合憲とされ、九州大学に殺害予告が届いたこともあり、学会でも異端児的扱いを受けている(「集団的自衛権「合憲」学者の論理と倫理」http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/120100058/050500004/)。

 私は、個人的に井上先生との議論を通じて、先生からフランスの憲法論議をはじめ、たくさんの刺激と知識を得ている。立憲的改憲論の着想を得たのも井上先生の語るフランスでの議論の仕方や、立憲主義を守るための制度論からである。

 先生はブロゴスの記事の中で、安保法制の立憲主義をめぐる狂騒を経て、こう話す。

「「立憲主義違反」論に意味があるとすれば、それは現行憲法の問題点を図らずも炙り出した点にある。「立憲主義違反」という言明は、憲法の規定に違反しない(つまり憲法違反ではない)が「憲法の精神」に違反する権力の行為を非難するものであるが、それはむしろ、現行憲法が権力を統制しきれていないこと、つまり権力を統制するのに憲法規定が足りないことを告発するものである。そうすると、今後同じことが起こらないように、また、どのような政権にも妥当するように、憲法の規定の点検やその不足・不備の是正が、安保法への立場を超えた共通の課題として取り組まれるべきであった。」

http://blogos.com/article/177946/

 立憲主義は(為政者等の)人の心変わりを期待するものではなく、そこには立ち入ることなく制度で人の動きをコントロールするものである。立憲的改憲論とも通底する発想がそこにはある。

また、憲法改正の論じ方についても、生前退位についての議論が参考になる等、新鮮な切り口での議論を常に世に問い続けている。

http://webronza.asahi.com/politics/articles/2017011600009.html

最近では、京都大学の曽我部先生とならんで、40前後の若き憲法学者の中では極めて頻繁に政府・与党やメディアで取り上げられている。ここでは挙げきれないので、皆さんで検索していただければ、たくさんの論稿が出てくるだろう。ブログでも紹介はしていく。

 

 当日も、?フランスの改憲論議の在り方、?立憲主義論で考えるべき論点、?日本国憲法の客観的特徴、?自民党改憲論、を中心にお話してもらう予定である。立憲的改憲をめぐる憲法シリーズの総括にふさわしい内容になるのは間違いない。

 

そんな井上先生が一番苦手なのは憲法学会か??
 最近何かと道場でも話題の憲法学会という特殊世界・・・

 このあたり、「憲法の良識」だけでなく、「憲法学会の良識」についても当日「異端児」から興味深いお話が聞けるかもしれない。

 6月の九州での道場、是非お楽しみに!!

倉持麟太郎

慶応義塾⼤学法学部卒業、 中央⼤学法科⼤学院修了 2012年弁護⼠登録 (第⼆東京弁護⼠会)
日本弁護士連合会憲法問題対策本部幹事。東京MX「モーニングクロ ス」レギュラーコメンテーター、。2015年衆議院平和安全法制特別委員会公聴会で参考⼈として意⾒陳述、同年World forum for Democracy (欧州評議会主催)にてSpeakerとして参加。2017年度アメリカ国務省International Visitor Leadership Program(IVLP)招聘、朝日新聞言論サイトWEBRONZAレギュラー執筆等、幅広く活動中。

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