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高森明勅
2018.5.26 22:00

宮内庁が異例の見解

宮内庁が5月25日に異例の見解を公表した。

眞子内親王殿下に関する最近の週刊誌報道について」
と題するもの。

その一部を掲げる。

「一部の週刊誌は、『侍従職関係者』、『宮内庁幹部』、
『宮内庁関係者』
等のコメントとして、皇后さまが様々な
発言をなさっているかのように記していますが…
両陛下は、
当初より、
細心の注意を払って固く沈黙を守り続けておられ、
また、
宮内庁職員はもとより、ご親族、ご友人、ご進講者等で、
両陛下にこの問題について話題にするような人もこれまで
皆無であ
ったと伺っています。

かつて…両陛下の御所建設が計画された際、
昭和天皇が愛された自然林を皇后さまが丸坊主にした等の
報道がな
され、前後数ヵ月に及ぶ謂われない批判記事の連続により、
皇后さまは何ヵ月も声を失われる事態に陥られました。

因(ちな)みに、新御所の建設場所は、
当時の宮内庁長官の報告と進言を陛下がお受け入れになり、
最終的に決定されたもので、皇后さまはこのご報告や決定の場に
一度も同席しておられず、
新御所の予定地についてお聞きになった
ことも、
まして御覧になったこともありませんでした。

今また、皇后さまは、ご自分の名のもとに、両陛下として
あれ程までにお守りになろうとされた眞子さまや秋篠宮両
殿下の
周辺で、
静かな熟考のために保たれるべき環境に思いも寄らない
様々な雑音
が立てられていることを驚き、悲しんでおられ、
陛下もまたそのことに深くお心を痛めておられます」と。

極めて強い調子だ。

特に、かつて(平成5年)『週刊文春』などによる
事実無根の心ないバッシングが原因で、
皇后陛下が長く失声症になられた前例を引き合いに出しているのは
よほど深刻な訴えと理解しなければならない。

虚偽のコメントを捏造して、
両陛下の御心を深く傷付けているのは一体、どの週刊誌か。

念の為に、当時の皇后陛下のおことばと、
ご長女の紀宮(
のりのみや)清子(さやこ)内親王殿下
(現在は黒田清子様)
のご回想を引いておく。

まず皇后陛下のおことば。

どのような批判も、自分を省みるよすがとして
耳を傾けねばと思います。

今までに私の配慮が充分でなかったり、
どのようなことでも、
私の言葉が人を傷つけておりましたら、
許していただきたいと思います。

しかし、事実でない報道は、
大きな悲しみと戸惑いを覚えます。

批判の許されない社会であってはなりませんが、
事実に基づかない批判が繰り返し許される社会であって
欲しくはありません」
平成5年お誕生日に際して)

次に紀宮殿下のご回想。

事実に基づかない多くの批判にさらされ、
平成5年御誕辰(
ごたんしん)の朝、皇后様は
耐え難いお疲れとお悲しみの中で倒れられ、
言葉を失われました。
言葉が出ないというどれほどにか辛く不安な状態の中で、
皇后様はご公務を続けられ、変わらずに人々と接しておられました。
当時のことは私にとり、
まだ言葉でまとめられない思いが
ございますが、振り返ると、
暗い井戸の中にいたような
あの日々のこと自体よりも、
誰を責めることなくご自分の
弱さを省みられながら、
ひたすらに生きておられた皇后様の
ご様子が浮かび、
胸が痛みます」
(平成17年「36年を振り返って」)

当時、文藝春秋の社長の自宅などに
銃弾が撃ち込まれる事件も起こり、
両陛下の御心を更にお悩ませする事になった。

「一部の週刊誌」は、紀宮殿下が
「暗い井戸の中にいたような」と表現された
あの日々」を、性懲りもなく繰り返したいのか。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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