ゴー宣ネット道場

BLOGブログ
泉美木蘭
2015.9.6 02:01

きのう、神保町で。

きのうのトンチンカン日記。

昼間、神保町で古書をあさっていたら、集英社前の交差点に、
見張り台付きの機動隊車両が20台ほどぞろぞろと並び、
警察官、黒ヘルの機動隊員、白シャツの刑事などおよそ
200人規模の物々しい厳戒態勢ができあがっているので
びっくり仰天した。


(え、なに? シールズのデモ? んなわけないか。
 あっ、もしかして・・・いま流行りの山口組!?)


わくわくして少し近づいてみると、警官たちは全員がじっと
集英社のビルのほうを見ている。


(えっ、えっ、集英社? 立てこもり? 襲撃事件?)


状況はよくわからないけど、集英社に浅間山荘事件みたいな
鉄球がぶち込まれて、放水や銃撃戦が始まるのを想像した私は、
ますますわくわくして機動隊の方へ近づいていったんだけど、
普通に道を開けて「どうぞ」と通してくれるし、いまいち
なんだかわからない。

で、集英社ビルから少し離れた木陰で、ぽつんと立っていた
若い警察官に「これ、なんなんですか?」と聞いてみたら、
集英社の斜向かいにある、日本教育会館のビルを指差して、
「そこで会合があって、それで念のために警備してるんです」
とのこと。
みると、日本教育会館の前にも警官がずらりと並んでいた。


(日本教育会館? あーっ、日教組かーっ!!
でも日教組の会合で、なんで集英社を警備してるの?)


スマホで「集英社 日教組」と検索してみた。
しかし、日教組について書かれた本が、通常の範囲内で出版
されているぐらいで、まったくわからない。

次に「集英社 機動隊」と検索してみると、『攻殻機動隊』の
フィギュア販売ページが出てきて、ますますわからない。
しかも『攻殻機動隊』は講談社だし……。

続いて「集英社 襲撃」。
すると、うすた京介の漫画の中に、ゆるキャラ「くまモン」の
キャラ絵が無断で掲載されたとして、怒ったくまモンが、
集英社の受付を強行突破し、少年ジャンプ編集部を襲撃した
という意味不明な事件の様子が載っていた。


うーん、わからない……。
そもそも集英社はコミックと「non・no」など女性誌が
メインで、デモや銃撃とはかなり遠い出版社に思えるのに。
私のトンチンカンな脳が、いろんなパターンを考えた。


パターン1!
日教組が「青少年に漫画ばかり読ませるな!」と怒り狂って
決起集会を行っており、勢い余って集英社を襲撃!?


パターン2!
日教組が、「最近の『別冊マーガレット』は少女漫画にしては
刺激が強すぎる!」と怒り狂って決起集会を行っており、
その勢いで集英社を襲撃!?


パターン3!
揉め事がおこりそうな集英社の漫画と言えば『はだしのゲン』。
日教組が、「『はだしのゲン』を子供たちに読ませたい派」と、
「『はだしのゲン』を図書館から撤去したい派」に分裂し、
抗争が勃発。流れ弾が集英社にぶち込まれる!?

パターン4!
日教組の『はだしのゲン』撤去したい派が、抗争のさなか、
「だったら首をとっちまえ!」と、集英社を襲撃!?



・・・って、どれもこれも絶対ちがうし。
でも、じゃあなんなんだ。

しばらくうろうろして見ていたんだけど、鉄球は出てこないし、
銃撃戦も放水もはじまらないし、
火炎瓶一本出てこない。
なんだあ、と思って、結局、わからないまま神保町を去り、
その後は会う人会う人に
「集英社が浅間山荘みたいに機動隊に取り囲まれてて」
と話したんだけど、みんなも「えぇ?」と首をかしげるばかり
だった。
だいたい、そんな凄い事件なら報道されるしなあ。



で、気になって眠れないので、深夜までしつこく調べてしまった。
やっとわかった。
鈴木邦夫氏の昔のブログに日本教育会館のことが書いてあった。
会館には日教組の本部が入っているため、もともと右翼の格好の
標的になっているのだ。
年に何度か行われる教研集会や、会合の日には、街宣車が大挙
として押し寄せ、盛大な抗議活動を行うため、そのたびに、
集英社前の
交差点に警察車両によるバリケードが張られ、
会館前の車道が
封鎖されるのだ。

数年前の同じ日の様子が、Youtubeにアップされていた。
靖国通りから「打倒日教組!」という旗を掲げた街宣車が
ドカドカと押し寄せて、そして、集英社の前でせき止められ、
そこから「ニッキョーソー倒せー!」「反日教育やめろー!」
とか怒鳴っていた。

なんだあ。
警官や機動隊員たちが見ていたのは、集英社じゃなくて、
集英社、の、向こう側の、靖国通りだったんだ。
いやあ、日教組の分裂・抗争だなんて、また物騒なこと妄想
しちゃったよ。山口組の影響だねっ!
でも、鉄球ぶち込まれるとこ、見たかったなあー。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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