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泉美木蘭
2016.2.24 12:19

10年前の文芸春秋。安倍昭恵夫人の手記に驚いた

古書店でたまたま10年前の『文芸春秋』を見つけて、手にとった。
2006年11月号、ちょうど第一次安倍政権が誕生したときの号だった。

『安倍新内閣を採点する』というページでは、御厨貴東大教授が、
「安倍晋三の誕生は戦前の近衛文麿首相の登場と似ている」
「自民党はじまって以来の翼賛体制総裁選」
「言うことを聞く奴を集める、幼稚園の砂場のボスになりかねない」
などなど的を射た批判を書きまくっていた。
御厨貴さんて、自民党のリベラル派が開催した勉強会に登壇した方
じゃなかった? 小林よしのり先生の回が潰されてしまった、その後の。
近年はあまり強力な批判は展開してなかったのかしら?

項をめくると、シャープ亀山工場誕生を礼賛したカラー特集があった。
「ヤマトタケルにゆかりの深い亀山で、新しい神話が生みだされる」
という見出しで、工場の空撮写真が掲載されていたけれど、
たった10年たらずで、その工場も製造ラインを休止することになり、
経営再建をかけて連日こうも悩み尽くすことになろうとは・・・。
この、シャープ「世界の亀山工場」誘致のために、
うちの地元・三重県は90億円、人口5万人そこそこしかない亀山市も
45億円もの補助金を出したんだよ。
高速道路も新たにドーンと通してさ。
どーーーなっちゃうんだよ、一体・・・。

驚いたのは、『新宰相夫人特別手記』と題された、安倍昭恵夫人の手記
最近は、連日連夜泥酔して布袋兄さんにしなだれかかり、SPに抱えられて
帰宅するなど、だらしない姿が多数報告されているけど・・・。
この方、政治家の奥さんでさえなければ、けっこう面白い人なんでしょうね。
電通勤務時代、安倍首相とのはじめてのデートから、結婚、政治家の妻となる話を、
冗談やウケ狙いのネタをまじえて語っているんだけど、ファーストレディーに
なって浮かれ気味というか、はしゃぎすぎというか、いろいろとディテール細かく
語りすぎてて、これ、脱稿するまでにかなりの失言が削除されただろーなーー・・・と推察。

一番びっくりしたのは、不妊治療を受けていたという話だった。
そっか、そういえば、安倍首相には子供がいないんだったね。
政治家を輩出する名門家系だけに、結婚式のあとは地元の挨拶行脚となり、
港へ行けば大漁旗がバサバサとはためいて大歓迎され、
町に出れば、「晋三の嫁の顔を見たい」という人だかりに囲まれる状態。
そして、その後は・・・
地域全体から、「子供はまだか」と圧力を受ける日々だったそうだ。
不妊治療も受けたが、子供に恵まれることはなく、
安倍首相からは、養子をもらうというのはどうか、という提案もあったが、
割り切れず、育てる自信も持てず、受け入れられなかったと率直な心情を語る。

そのうえで、雅子妃殿下にこんな心情まで寄せていた。

「雅子妃のご様子を拝見していると、われわれとは比較にならない重圧の中、
想像を絶するご苦労があったことと存じます。それでも愛子さまがお生まれになり、
家族ができてずいぶんと救われたのではないでしょうか」

思わず、ため息が出た。
この手記は夫人の視線だけれど、安倍首相だって、跡継ぎに関しては、
相当なプレッシャーを受けたのではないか?
夫人にはとても聞かせられないような、酷いことも言われたかもしれないし、
なんとか受け流して夫人をかばうこともあったのではないかと思う。

そんな体験が自分自身にあって、子宝は思うように授かるものではないのだと、
実感を持って知っているにも関わらず、
皇室に関しては男系男子絶対固執、女性宮家創設を潰してしまうなんて。
あまりの不条理さに哀しさすら覚えてしまう。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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