ゴー宣DOJO

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泉美木蘭
2016.6.5 16:50

《人間》の思想に裏打ちされた議論

「ゴー宣道場」、あまりのテンポの良さに、あっという間に時間が
過ぎ去って、気づけば終了時間となっていました。
「言論の自由」が、決して言論人や表現者だけのものではなく、
いかに生活者全員に密接していることなのかを考えた道場でした。
議論のなかで、ふと、

「ああ、そうか、ゴー宣道場の議論は、各師範方が、
どう《人間》を思想しているか ということが裏打ちされているから、
おもしろいんだな・・・!」

そう感じました。
最近、テレビの討論番組を見ていても、
「この人ずいぶん勉強していて物知りだということはわかるけど、
ただ、一体、何をどうしたいんだかわからない・・・」
と感じる人が大勢います。
そういう人たちの議論は、聞いていてもすぐに忘れてしまって、
なにも引きずるものが残りません。
それは、その人の発言のなかに、哲学や、人間というものへの考察が
見えず、単なる情報の披露や交換、主張の確認や分類に終始するだけ
だからなのだと思います。

それなら、人工知能を搭載したお人形を並べて、SNSの発言でも
インプットして、自動でしゃべらせたって、同じかもしれない。
ある日、朝生を見たら、左から順に、山本一太、二太、三太、四太
・・・
うわあ、全部、アンドロイド・ヤマモト!
そして、それを大事そうに布で拭く森本敏。
・・・そんなことになったらいやだなあ。
報道の時間配分の公平だけを叫ぶ、小川A太郎、B太郎、C太郎という
シリーズも既に開発中です。

しかし、そんなアンドロイド製造機が、いまの日本かもしれない。
すでにどこかのアンドロイドに登録されている主張のなかから、
電子辞書を買うように主張を選択し、摂取することしかできない人々。
人間のつじつまのあわなさや、善と悪だけでは論じきれない世界、
決して「ルール」では解決しない十人十色の個性や
業がわからず、
何事も一問一答形式で、「方程式と回答を知りたい」とだけ考える、
そこに疑問を持つことができないロボット脳。
これが、「潔癖王国」の住民であり、その王国の完成の結末は、
人間にも未来にも無関心なまま、ただ生を貪る存在に堕した人々の
集まりでしかないのだと思います。

私はそんな結末はいやだ!
だからこれからも思想しつづけます!

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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テーマ: ゴー宣DOJO in名古屋「人権カルトと日本人論」

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