ゴー宣ネット道場

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泉美木蘭
2016.6.15 05:45

民主主義という病いは、権力者の家畜を作る

昼の奥様向けワイドショーに、舛添氏の辞任を受けてもまだ、
「最初は辞任しないと言っていたのに、すぐ翻しましたね!」
などとむちゃくちゃなことを言って叩いている国際弁護士が出ていた。
『水に落ちた犬を打て』の精神だ。
首でも吊れと言わんばかりだし、現実問題、この群衆の異常な狂乱、
集団リンチ状態を途中でピタリを止める方法があったとすれば、
自殺という名の公開処刑か、またもやの激甚大災害か、
国内でのとんでもないテロ死亡事件発生か・・・
いずれにせよ、《衝撃的な死》を目の当たりにするぐらいのことしか
なかったと思う。
そのぐらい、異様で恐ろしい空気が出来上がっている。

は、オオカミだった時から、どんどん人間に近づく動物になって、
現代では、人間の決めた「商品価値」に乗せられて、バカで愛くるしく、
人の手を焼かせて飼われていないと生きていけない愛玩家畜として
適した品種に交配させられている。
ペットショップには、一部の金持ちに高く売れる、小さくてバカでかばん
に入るような犬がごろごろ並んでいる。
ソファから飛び降りただけで骨を折ったり、散歩させすぎると関節炎を
起こすような、飼い主の手から離れれば死ぬしかない犬だ。

は、原種のものと、家畜として飼われるようになったものでは、
染色体のレベルから違うそうだ。
毛を狩りやすく、人間が扱いやすい品種だけを交配させてきた結果、
現代の家畜羊は、古代の羊よりも脳のサイズが小さくなっているらしい。

そして、羊は、群れになって過ごさなければ生きられない。
一匹ではとても害獣と戦えないことがわかっているから、本能的に群れ
をつくるようにできているのだ。
でも、その群れには、猿のようにリーダーがいない。
だから、羊飼いの少年でも、何百匹もの羊を扱うことができるのだけど、
リーダーのいない群れは、些細なきっかけから、突如として、全員が
つられつられた大暴走を起こしてしまう。
その無意味な羊の群れの暴走が、「羊の集団自殺」を起こす。

羊の集団自殺は、遊牧民が被る大損害のひとつなのだと聞いた。
羊をぞろぞろと牧草地まで歩かせているときに、たまたま崖側にいた
一匹の羊が、なんの弾みか、ピョンと崖から飛んで落ちてしまう。
すると、そのそばにいた羊が、些細な一匹の事故につられて、
またピョンと崖から飛び降りてしまう。
そして、群れがどんどん後につづけと、引きずられて、次々と崖から
飛び降りはじめる羊パニックを起こしてしまい、
こうなると人間にも犬にも止めることはできず、5分、10分の間に
数百頭の羊が死んでしまうという大事故になる
という。
羊にしてみれば、習性に従って、群れを維持すべく後に続いただけで、
まさかそれが死へのダイブ・集団自殺だったとは意識すらしていない
だろう。
けれども、気が付けば谷底で全員が死んでいる。


人間にもまったく同じ現象が起きている。

些末なことに囚われて、どんどん狂乱が膨らんでいく。
その狂乱の群衆につられて、感じるよりも先にヒステリー行進を起こす。
もっと巨悪の、群れを追い詰めて干上がらせようとする問題があるのに、
そこには目を向けない。
また、目を向けないように、躾けられ、愛玩人間化、家畜化されていく。
民主主義という病いは、権力者のペット、権力者の家畜を作るばかりだ。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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