ゴー宣ネット道場

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泉美木蘭
2017.6.21 08:17

日本で「王様は裸だ!」と言ったら…

「王様は裸だ!」

「私は服を着ているのにですね、まるで裸であるかのごとく、
印象操作するのはやめていただきたい。もし私が裸だったら、
責任をとって王様を辞めますよ!」

「だから王様、裸ですって。奥さんも。完全に見えてますよ」

「裸、裸ってね、私も妻も服を着ているじゃないですか!
まるで、私と妻が公然猥褻罪であるかのごとく言うのは、
それは、レッテル貼りと言うんですよ」

「いや、だから、裸だもん・・・」

「みなさんね、この世には『良い裸』と『悪い裸』があるわけです。
悪い裸。これは見せられたらたまったものじゃない。
すぐに服を着るよう指導すべきものですが、一方で、良い裸という
ものがある。これはどこにいても見られるもので、みんなちょっと
づつ楽しんでいるわけです」

「そうだそうだ!
王様は、『これは悪い裸ではない』とはっきり言うべきだ。
誰だって、裸を見て喜んだことがあるでしょう!」

「だいたい、裸のなにが悪いんですか?」

「いや、だって見えてるし・・・」


「そんなことより、話し合うべき重要な問題があるでしょう。
『裸だ、裸だ』ってただ言うだけで、本質的な議論にまったく
なっていない。まるで子供じゃないか。情けない」


「あのね、良い裸、悪い裸ではなくて、そもそもが、みんな、
裸の王様につきあわされて、王様から『脱げ!』と言われて
脱いだわけでしょう?
しかも、裸であるのに『服を着ている』とか、『脱げとは言わ
れていない』とか、『脱いだかどうか記憶にない』とか言わさ
れている。ここに問題があるわけですよ」

「アジェンダ設定はどこにあるんですか?
みなさんさっきから聞いていると、おっしゃることがバラバラで、
ちょっと整理したいんですけれども、まず『王様は裸だ』という
意見がある。
一方、裸なのはわかっているけど、服を着ている“てい”でやって
いく、その中で作り上げられたコンプライアンスがあるわけです」

「君は一体何を言いたいんだね? そんなものは欺瞞でしょう。
裸と認知されているにも関わらず、服を着ていると扱われる。

服を着たくても着られない、こんな危険な状態のまま、
王様の家来は歩かされているわけですよ!



「裸は裸に決まってる! とんでもないよ! ねっ!?」

「私の記憶にもとづきますと、私は脱いだことはありません。
ですから『脱いでいない』とお答えしたわけですが、その記憶が
間違っており、いま、裸の可能性があると推測しています。
しかし、嘘をついた認識はありません」

「たとえ裸であったとしても、これまでの裸とは異なる、新しい裸。
『王様は裸だったんじゃないか』とのご批判があることも、真摯に
受け止めている。
今後も、引き続き、しっかりと、王様としての職務を全うしたい。
こう、私は考えているわけであります」
泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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テーマ: 「コロナ後のリベラル」

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