ゴー宣ネット道場

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泉美木蘭
2017.12.13 07:36

自民党本部が大量購入・配布中のインチキ本2

自民党本部が大量購入・配布中のインチキ本1 のつづき

◆朝日新聞の「仕掛け」? 
小川氏は、朝日新聞による森友学園問題第一報を「仕掛け」と
表現する。
「大阪の国有地 学校法人に売却 金額非公表 近隣の一割か」
との見出しでスタートした平成29年2月9日のスクープを

「全国紙七段の記事にすることではあるまい」
「調査したところで、違法性の可能性は低かろう」
「朝日新聞全国版で七段抜きの記事というのは、不自然だろう」

と、なぜかはなから「問題があるわけない」と勝手に決めつけ、
この記事に安倍夫妻の名前が取りざたされていることに激怒。

しかも、「日本初で唯一の神道の小学校」「愛国心教育」という点をわざわざ報じているのは、森友問題が当初、イデオロギー闘争として着眼されていた事を示していよう。本来なら、土地取得非公表と、学校法人の教育理念は関係ないのだ。
そして、勿論、何よりの胆は、文末にさり気なく添えられている「同校の名誉校長は安倍晋三首相の妻・昭恵氏」。


小川氏は、これをすべて「朝日新聞による仕掛け」だと考えているが、
朝日新聞のこの第一報記事は、ずばり本質を突いている。
「愛国心教育」という点をわざわざ報じたのは、その特殊性こそ、
この小学校が安倍晋三の思想とぴったり符合しており、
「おともだちへの優遇」を示すキーワードにほかならないからだ。
森友学園は、昔はごく普通の幼児教育を行う学園だった。
過去にはスポーツを取り入れたユニークな教育を行ってもいて、
それこそ朝日新聞に注目され、取り上げられた平和な過去もある。

急角度な“愛国心教育”に舵を切ったのは、
「第一次安倍政権時代の、改正教育基本法に新たに制定された
『我が国と郷土を愛する態度を養う』との教育目標を、生かそう
とした結果だ」
と森友学園側が説明している。


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 2006年12月16日「毎日新聞」朝刊


安倍首相は、当時「美しい日本人をつくる」などと純潔思想に
通ずるような発言を国会で語り、物議をかもしているが、
この安倍首相の想いを忠実に汲み取って、教育勅語の唱和や
軍歌合唱などつぎつぎと再現してみせたのが籠池なのである。
森友学園は、安倍晋三の申し子なのだ。
「朝日新聞による捏造、仕掛け」ではなく、
「安倍晋三=愛国心教育=森友学園」という仕掛けを朝日新聞
が報じただけである。


◆「国会議員辞める」は安倍の美学!?

「私や妻が関係していたということになれば、まさに私は、
それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということは
はっきりと申し上げておきたい」

平成29年2月17日、安倍晋三が国会で発した言葉だ。
土地の賃借契約と私学審議会での認可の経緯や順番がおかしいこと
を挙げられ、
「何か裏で怪しい力が働いたんじゃないかと思うんですよ」
など追及された末に、安倍がとつぜん「総理の地位」を賭けて、
崖っぷちに立った瞬間だった。


それまでの要領を得ないのらりくらりとした答弁を聞いていた国民
から見れば「ああ、本当のこと言われて、ついに逆ギレしたんだな」
と思うような光景だった。
言い返す理屈、納得させられる説明を持たないがために、責められて、
大泣きしながら駆け出して崖っぷちに立ち、勝手に自分を人質にして
捨て身の姿勢を見せつけ、ビビらせようとしたようなものである。
しかし小川氏は、こんな捨て身の安倍に優しく寄り添う。
安倍にしてみれば、首相辞任までをも国会で断言するということは、身の潔白を証しだてる日本人流の強意表現だった。が、残念ながら、国会やマスコミの反安倍陣営は、そうした美学はまるで持ち合わせていなかったようである。
「総理の地位を賭けた否定」を「名誉による証明」だと考えた安倍に対して、反安倍側は、逆にどこまでも追及し、少しでも関係が証明できれば、内閣総辞職を迫ることができる言質を国会で取ったと受け止めたのである。


いやいやいやいやいや。
美学の問題じゃない。なんで国会で総理の地位を賭けて否定すれば、
身の潔白を証明できるのか? 
「これが嘘だったら辞めます!」と言って、あとは隠蔽してだんまり
こいておけば済むのなら、なんでもアリになってしまう。
質問されたことに明確に回答し、論理的に符合していることが理解
されたところで、人は潔白さを判断するのだ。

イライラとした様子で早口であやふやなことしか言わない人間から、
いきなりこんな発言が飛び出して、
「まあ、すてきな美学絵文字:ハートと思う

ほうがおかしい。
あまりに世間知らずでピュアすぎる。


これは「名誉による証明」ではなく、「動揺による強弁」である。


共産党の小池晃議員が「国民の税金が使われているんですよ!」と
声を荒げるシーンがあったが、まったく筋の通った言葉だ。
政府は、野党の質問に対して、きちんと答える義務がある。たかが
一時期の役職にすぎない「総理の地位」などを人質にして、説明を
逃れる姿は美しくもなんともないし、理屈も立たない。
こんなものを「日本人流の強意表現」と言わないでいただきたい。

(つづく)

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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