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高森明勅
2018.6.15 07:00政治

「検証可能で不可逆的」でない非核化?

米朝首脳会談に先立って、アメリカ側は北朝鮮の
「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」が、
譲れない条件だとしていた。
 
しかし、結果はどうか。
 
「検証可能で不可逆的」がスッポリ抜け落ちた。
 
共同声明に盛り込まれたのは「完全な非核化」。
 
検証可能でなく、不可逆的でもない非核化。
 
そんなのは「完全」では全くあり得ない。
 
どころか、実質的には「非核化」ですらないだろう
(“段階的”非核化という非「非核化」)。
 
リップサービス以上の中身はない。
 
にも拘らずトランプ米大統領は、
北朝鮮が長年一番欲しがっていた
「(体制の)安全の保証」を、
いきなり約束してしまった。
 
明らかにアメリカ側の大幅かつ一方的な譲歩だろう。
 
トランプ大統領には、そんな譲歩をしてでも、
来る11月の米中間選挙(更に再来年の大統領選挙)
に向けて、“歴史的”な米朝首脳会談の「成功」という
実績(?)を、国内にアピールする必要があった。
 
だから、北朝鮮に完全に足元を見られたのだ。
 
この会談を蹴飛ばすことなく、
実現させた時点で、アメリカの劣勢は決定していた。
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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