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高森明勅
2018.8.3 07:00皇室

「ご譲位」は憲法の要請

改めて言う迄もなく、憲法は天皇について
「国民“統合”の象徴たるべし」と要請(!)している。

ならば、皇居の奥深くただ“存在”するだけではなく、
積極的、能動的にその「役割」を果たすべきだ。

天皇陛下は、そのように深く洞察され、
実際にこれまで全身全霊で「象徴行為」を実践してこられた。

そうであれば、ご高齢になられて心身の衰えから、
それが十分に行えなくなるのが予見できた時点で、
若い後継者に地位を譲るのは、憲法が当然、予想し、
更に要請するところ。

ところが、憲法の付属法たる皇室典範では、
ことさら「ご譲位」の可能性を排除していた。

ここにも遺憾ながら、憲法と典範の明確な齟齬が認められる。

かかる現実を直視すれば、政府・国会が速やかに典範を改正して、
その齟齬を解消するのは当たり前。

にも拘らず、長年、無為無策、ひたすら問題を先送りして来た。

とりわけ安倍政権は、宮内庁からの打診を敢えて撥ね付けている。

そうした中、陛下ご自身の「おことば」の発表により、
特例法という不十分な形ながら、かろうじて閉塞状況に風穴を開けることが出来た。

顧みて、申し訳なく情けない経緯だった。

「ご譲位」を可能にすることは憲法それ自体の要請だ。

そこを見落とすな。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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