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泉美木蘭
2018.9.22 11:20日々の出来事

ある医師の証言

癌関係の治療施設で責任者をつとめ、定年退職した知人から
昨日、話を聞いた。

まず、
「女性はどうしても出産で最前線を退いてしまう現実があり、
大変な診療科を志望するのも稀なケースだから、点数順に
女性を増員させていくと、大学病院が破綻する」

という、当たり前のことを言うまともな人が全然いないね、と。

特に、小児科は女性が多いそうなのだけど、
「産休で欠員が出ていない時がない」と常に言い続けながら、
かと言って増員するカネもなく、人手不足のまま回す状態だと
いう。

また、女性医師は、出産後はパートタイムで復帰して、
当直なども免除されながら働くことになるが、
その後、落ち着いても、そのまま自分の生活と両立できるような
働き方を選ぶようになり、元の現場には戻ってくれなかったり、
医師の資格を持ちながら、それを活かさずにバイトでなんとなく
暮らすようになる女性がいっぱいいるのだそうだ。

医者はバイトでも時給が高いから、好きなことと両立しつつ
それなりに稼げるし、

また、結婚相手も医者のケースが多いので、
「なにもしんどい思いをしながら働かなくてもいい」
と考えるのは自然な感覚だろう、ましてや、大学病院のような
現場に戻ってくれるのはよほどの人だ、と。

ちなみに、医者はあまり異性と出会っている暇もないし、
女性は学生時代に出会った人と結婚することが多く、
医者カップルになる例が多いらしい。
僕の知っている女性の先生たちも、1人をのぞいてみんな
医者夫婦だよ、と。

「なにも考えずに突撃していく女性ももちろんいるけど、
やっぱり子育てするとなると、冷静に自分の人生を見通して、
しんどい現場は避けるというのも自然な考え方だよね」

終始穏やかに語りながら、最後にこう言っていた。

「僕も定年退職して、この2年近く、週休3日で介護施設の
当番をしているけど、もう以前のような仕事には戻れないよ。
あの頃は月に1回も休みとってなかったんだから」

そうだろうなと思う。
退職前は、現場での仕事の内容はほぼ語らなかった人
だけど、施設の名前を聞けば、若くして容赦なく生き死にに
晒されている患者さんばかりの世界だと誰にでもわかった。
いまは本を読んだり、好きな雑誌を眺める時間があるんだ、
とのことだ。

 

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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