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高森明勅
2018.10.20 15:15皇室

皇后陛下のお誕生日

10月20日は皇后陛下の84歳のお誕生日。

1人の国民として心からお祝い申し上げる。

「皇后」というお立場でのお誕生日は今年が最後。

上皇后となられる来年からは、
お誕生日にお気持ちを公表される
機会も無くなるという。

宮内記者会への文書でのご回答から。

「日本の各地で、災害により犠牲になられた方々を
心より悼み、残された方々のお悲しみを少しでも
分け持てればと思っています。

また被災した地域に、
少しでも早く平穏な日常の戻るよう、
そして寒さに向かうこれからの季節を、
どうか被災された方々が健康を損なうことなく
過ごされるよう祈っています」

「約30年にわたる、陛下の『天皇』としての
お仕事への献身も、あと半年ほどで
1つの区切りの時を迎えます。
これまで『全身』と『全霊』双方をもって
務めに当たっていらっしゃいましたが、
加齢と共に徐々に『全身』をもって、という部分が
果たせなくなることをお感じになり、

政府と国民にそのお気持ちをお伝えになりました。
5月からは皇太子が、陛下のこれまでと変わらず、
心を込めてお役を果たしていくことを確信しています」

「陛下は御譲位と共に、これまでなさって来た
全ての公務から御身を引かれますが、以後もきっと、
それまでと変わらず、国と人々のために祈り続けて
いらっしゃるのではないでしょうか。
私も陛下のおそばで、これまで通り国と人々の上に
よき事を祈りつつ、これから皇太子と皇太子妃が
築いてゆく新しい御代(みよ)の安泰を祈り続けて
いきたいと思います」

「振り返りますとあの御成婚の日以来今日まで、
どのような時にもお立場としての義務は最優先であり、
私事はそれに次ぐもの、というその時に伺ったお言葉の
ままに、陛下はこの60年近い年月を過ごして
いらっしゃいました」

「陛下の御譲位後は、陛下の御健康をお見守りしつつ、
御一緒に穏やかな日々を過ごしていかれればと願っています。
そうした中で、これまでと同じく日本や世界の
出来事に目を向け、心を寄せ続けていければと思っています。
例えば、陛下や私の若い日と重なって始まる
拉致被害者の問題などは、平成の時代の終焉(しゅうえん)
と共に急に私どもの脳裏から

離れてしまうというものではありません。
これからも家族の方たちの気持ちに陰ながら
寄り添っていきたいと思います」

「皇太子、天皇としての長いお務めを全うされ、
やがて85歳におなりの陛下が、これまでのお疲れを
いやされるためにも、これからの日々を赤坂の恵まれた
自然の中でお過ごしになれることに、心の安らぎを
覚えています」

― 皇后陛下の御成婚以来の、
決して平穏な日々ばかりではなかった歳月を
想像すると、胸に迫るものがある。

改めて深い感謝を捧げ奉(まつ)る。

謹んで皇后陛下の御歌(みうた)
2首を掲げさせて戴く。

人びとに
見守られつつ
御列(おんれつ)の
君は光の
中にいましき
(御即位の日 回想、 平成21年)

ためらひつつ
さあれども行く
傍(かたは)らに
立たむと君の
ひたに思(おぼ)せば
(被災地 熊本、平成28年)

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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