ゴー宣DOJO

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小林よしのり
2018.10.29 12:38日々の出来事

自己責任と国家権力の関係が分からぬネトウヨ

わしはかつてブログに武装集団に殺されたジャーナリスト、
「後藤さんはプロなのだから自己責任である」と書いた。
これを見つけてきて、ネトウヨが「小林よしのりも自己責任
と書いたくせに」とバッシングしているらしい。

馬鹿の度合いが成層圏を突き抜けていて、さっさと宇宙に
漂えと言いたいほどの馬鹿だ!
わしのブログには、「プロなのだから自己責任なのである」
と書いていて、同時に「もちろん国家は国民を、その思想性
は問わずに、守らねばならない」と書いている。
「プロは自己責任である」「国家は国民を、守らねばなら
ない」は矛盾する考えではない!

戦場ジャーナリストは誰だって「自己責任」で危険地帯に
行っている。
だから安田純平氏も「身代金を払うな」とメッセージを
出したのであり、日本政府も身代金は払っていない。

だが、日本国憲法で国民の「基本的人権」を保障する
主体は「国家」である。
国民が憲法によって、権力に「基本的人権」を守れと
命令したのだ。
それが立憲主義の考え方なのだ。

「自己責任で、勝手に行ったのだから、政府は守る必要は
ない」という馬鹿ネトウヨは「立憲主義」を知らない阿呆
どもなのだ。

しかも安田純平氏が「反権力」なのは当たり前で、それが
ジャーナリストの矜持だろう。
安田純平氏が「英雄」とは思わないが、淡々とプロの仕事を
したまでである。
安田氏の解放を政府が緊急発表するのも変だし、そんなに
大ニュースになるというのもおかしい。

橋下徹みたいに「安田氏はジャーナリストとして価値の
ある仕事の成果があったのか」と言うのも難癖に過ぎない。
自分が小市民だから、蛮勇をふるう職業の意義が分からない
のだ。
戦場ジャーナリストは危険地帯に行ってみなきゃ、大手柄
があるかどうかなんて分からない。

わしは安田氏によって、多くの情報を得たので、ありがたい
と思っている。
身代金をカタールが払った意味も分かったし、武装組織の
虐待の仕方も分かった。

身代金がテロ組織の活動に使われるという非難も不当である。
身代金を出したのはカタールであり、それはサウジと戦って
いるカタールの政治的プロパガンダであり、このカタールの
作戦は成功している。
身代金を払ったのは、日本政府ではないし、安田氏の責任
では全然ない!

安倍政権に親しいものなら、レイプ犯でも救出すべきで、
反権力思想の戦場ジャーナリストは救出すべきではないと、
馬鹿ネトウヨは主張するのだろうが、国家と国民の関係性を
まったく分かっていないクズだから、むしろネトウヨの
人権をこそ剥奪せよと主張したい。

無知は罪である。ネトウヨは馬鹿である。これは公式なり。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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テーマ: ゴー宣DOJO in名古屋「人権カルトと日本人論」

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