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高森明勅
2018.11.3 13:20政治

明治記念館「金鶏の間」

11月2日、明治記念館にて甥(おい)の結婚式。
明治記念館は明治神宮外苑の一角にあり、
総合結婚式場の第1号という。
 
式場としての格式もトップクラス。
 
私は元々、結婚式の披露宴が余り好きではない。
過剰な演出や空疎な美辞麗句、総じて虚飾に溢れた
雰囲気を感じる場合が多く、趣味に合わない。
 
だからなるべく避けて来た。
 
しかし今回は、そういう訳にも行かない。
 
明治記念館での披露宴は初めて。
 
どれだけ豪華絢爛で、しかも退屈な宴会になるか、
正直に言えば半ば嫌々参列した格好。
 
だが、実に簡明純朴、心からの祝意に満ちて、
気持ちが良い宴(うたげ)だった。新郎・新婦の人柄、
両家の気風を偲ばせる。
 
料理も美味しい。
 
何より、司会が押し付けがなしくなく、
控えめで丁寧で好感が持てた。
 
さすがに一流の式場だ。
 
しかも、会場は「金鶏(きんけい)の間」。
 
明治記念館は、明治時代には赤坂仮皇居の
別殿(御会食所)だった。明治40年に伊藤博文に
下賜(かし)され、「恩賜館(おんしかん)」と
呼ばれた。大正6年に、伊藤博文の養子だった博邦が
これを明治神宮奉賛会に献納。
 
同7年、明治神宮外苑の造営に先駆けて
今の場所に移築され、「憲法記念館」と名前を変えた。
 
この建物で枢密院の帝国憲法の審議が行われたからだ。
 
それが戦後、「明治記念館」本館となる。
 
同館で最も格式の高い部屋が「金鶏の間」。
 
まさにこの部屋で、
明治天皇の臨御(りんぎょ)を仰ぎ、
「憲法会議」が開かれた。
 
その様子を描いた洋画が、
「枢密院憲法会議」と題して、
同じ外苑内に建てられた聖徳記念絵画館に
掲げられている。
 
この絵画の奉納者も同じく伊藤博邦。
 
先日の日本教師塾の研修でも解説した。
 
新郎の高校生の妹は、
会場に飾られたその絵の複製を見て、
「あ!歴史の教科書に載っている絵だ」と喜んでいた。
 
結婚披露宴も捨てたものではない、と見直した。
 
新郎・新婦の末永いご多祥を祈る。
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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