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高森明勅
2019.2.3 18:09皇室

改元へのご聴許

時事通信が次のような記事を配信した
(2月3日12時7分)。
 
「政府が平成に代わる新たな元号について、
4月1日の公表直前に天皇陛下と合わせ、
皇太子さまにも報告する方向で
調整していることが分かった。
 
新元号を定める政令は
現在の陛下の署名を受けて公布、
皇太子さまが新天皇に即位する
5月1日に施行(改元)されることから、
お2人にあらかじめお伝えすることが
望ましいと判断した。
 
…天皇や新天皇は新元号の選定過程に関わらない。
 
ただ、平成改元の際も、
政府は宮内庁長官を通じ、
元号発表前に現在の天皇陛下に報告した」
 
政府はこれまで、
平成改元の手順の前例を踏襲する、
と言って来た。
 
だから、新元号を正式に閣議決定する“前”に、
天皇陛下にご報告するのが当たり前。
 
それは事実上、陛下の“ご聴許”を得て
新元号が確定する事を意味する。
 
“大化”以来の「天皇の元号」
という伝統を尊重した手順だ。
 
ところが、今回はご譲位に先立って、
1ヵ月“前倒し”をして新元号を決める方針。
 
ならば前例に加えて、
「新天皇」となられる皇太子殿下にも
予めご報告すべきである、と判断したのだろう。
 
新元号は新天皇の時代の元号。
 
だから、もし前倒しするのであれば、
当然の配慮だ。
 
画像:国立公文書館サイトより
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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