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高森明勅
2019.2.7 17:26皇室

大嘗祭研究の反省

昭和から平成への御代替わりの際、
大嘗祭の核心は「天皇霊」継承の秘儀にあるという
誤った説が、当時はそれなりに流布していた。

しかし、平成の大嘗祭の斎行に先立って、
実証的に否定された(岡田荘司氏の研究など)。

これは大嘗祭への誤解を解消する大きな貢献だった。

一方、ならば大嘗祭が皇位継承儀礼として
執り行われなければならない理由はそもそも何か、
という最も根源的な問い掛けに対する明快かつ
包括的な回答は、殆ど無かった。

手前味噌ながら、
私の研究(拙著『天皇と民の大嘗祭』など)が稀有な例外か。

そうした状況は、次の大嘗祭を今年の11月に控えた今も、
残念ながら基本的に変わっていないように見える。

新しい天皇のご即位に当たり、
毎年恒例の新嘗祭“ではなく”、手間も経費もかかる大嘗祭を、
ことさら行わなければならない理由は一体何か。

剣璽等承継の儀、即位の礼の他に、
どうして大嘗祭をわざわざ別に行う必要があるのか。

新嘗祭とは違う、大嘗祭“のみ”が持つ
皇位継承儀礼としての意味と、
剣璽等承継の儀や即位の礼だけではカバー出来ない、
同祭“固有”の意義とは何か。

これらの根本的な問いと、
真正面から対峙しようとしない大嘗祭研究は、
遂にその本質に迫る事が出来ないだろう。
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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