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高森明勅
2019.3.31 07:00皇統問題

明治皇室典範の「二者択一」

明治の皇室典範を制定する際に、
2つの立場の対立があった。
 
1つは、側室制度を前提に、
非嫡出(庶出)にも皇位の継承資格を認めて、
 
「男系の男子」に限定する立場。
もう1つは、側室制度を排除し、
非嫡出には皇位の継承資格を認めず、
女性天皇・女系天皇も認める立場。
しかし、当時の皇太子、嘉仁(よしひと)親王
(後の大正天皇)は側室(柳原〔やなぎわら〕愛子
〔なるこ〕=前光〔さきみつ〕の妹)から生まれ
られていた(つまり非嫡出)。
 
従って、後者を採用する余地はなかった。
だが前者も、あくまで側室制度を前提に、
非嫡出にも皇位の継承資格を認める事によって、
かろうじて「男系の男子」という前例の無い
窮屈な“縛り”が可能になった。
ところが現在の皇室典範ではどうか。
 
側室制度を排除し、
非嫡出には皇位の継承資格を認めない。
にも拘らず「男系の男子」に限定する。
前者の前提条件が欠けていながら、
後者の選択幅も失う。
まさに、前代未聞の困難を極める
継承条件となっている。
これでは行き詰まって当たり前。
 
改めて、明治典範の「二者択一」に
立ち戻って検討すれば、
結論は自ずと明らかだろう。
 
政府も既にその事には気付いているようだ。
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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