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泉美木蘭
2019.4.16 18:36日々の出来事

上野千鶴子氏の東京大学入学式祝辞

東京大学入学式での上野千鶴子氏の祝辞が話題になっている。
https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/about/president/b_message31_03.html

東大の男子学生は、他大学との合コンでモテるらしい。
ところが女子学生は、東大と言うと退かれてしまうので、隠すらしい。
上野氏によれば、

「なぜ男子学生は東大生であることに誇りが持てるのに、女子学生は
答えに躊躇
するのでしょうか。なぜなら、男性の価値と成績のよさは
一致しているのに、
女性の価値と成績のよさとのあいだには、
ねじれがあるからです」


とのことだ。

私はジイさん趣味なので合コンには行ったことないけど、
東大の男子学生がモテるのは、成績の良さというより、
「将来に渡ってかなり安定性の高い高給取りになる確率が高いから」
だと思う。
官僚なんかになって家も車も買えそうだし、引退しても安定して年金が
あって食いっぱぐれなさそう~。みたいな。

「自分はひたすら非モテ学生だった」という東大出身の男性編集者氏は、
地方出身の貧乏学生だった自分は、お金持ちや都心出身者の学生との格差
を常に感じていて、それをバネに今があるという思いが強いと言っていた。

また、私の文通相手には、東大生を狙っているという女の子がいたけど、
東大男子には格好がダサい「イカトウ(いかにも東大)」と、

なかなか垢抜けてお洒落な「マサトウ(まさかの東大)」がいるとかで、
『イカトウは、東大とすぐわかるから簡単に見つけられるし、
ウブだからすぐにゲットできそうなんだけど、

できれば自分は、国家公務員を目指すマサトウ狙いで行きたい』
と書いていて面白かった。男ってなんだかかわいそうだ。

また上野氏は

「女子は子どものときから『かわいい』ことを期待されます。ところで
『かわいい』とはどんな価値でしょうか? 愛される、選ばれる、守って
もらえる価値には、相手を絶対におびやかさないという保証が含まれています。
だから女子は、自分が成績がいいことや、東大生であることを隠そうとする
のです」

と言うけれど、知的でかっこいい女性を選ぶ男性だっているし、

成績が良くて学歴が高くても、かわいいと思える女性もいるとおもう。
好きな男性の前でだけ、てれってれに甘える女性は成績にまったく関係
なく超大量にいる。

東大と聞いて、知性への憧れを持ったり、優秀な人なんだなあと思う前に
退いてしまうような男子は、勝手に自分の劣等感を刺激されてるだけの
チキンなんだから、ヤリたいだけのお猿があっちへ行ったよと心の中で
思っていればいいのに。
そういうすがすがしさのほうが、魅力を醸し出すんだって。

しかも「かわいい」って「相手を絶対におびやかさないという保証」か?
愛嬌があったり、生きた笑顔があったり、人柄が伝わってくるような
振る舞いの中に「かわいげ」や「美しさ」なんかの感覚ってものが
浮かんでくるわけで、おびやかす云々はまた別の話なのでは。

それに「愛されたい」「選ばれたい」「守ってもらいたい」
この願望は、社会的に強制された性差別の結果なんですか?
違うでしょ、そもそも女子が抱いている願望でしょう。
これが差別だったらどうやって恋愛が成立するんですか?
恋愛って性差別の極致ってことなんですか?

「好きなあの人に振り向いてもらいたい、愛されたい」
これも性差別の結果ですか?

「好きな人と結ばれて、子供を産んで奥さんになりたい」
これも性差別の結果ですか?

「出産してかわいい子供たちを愛してあげながら、
やさしくて頼りになる夫にいつまでも女として愛されて、
守ってもらいながら、それなりに働いて充実しつつ、
夫の給料はちゃんと入って来て安定という素敵な人生を送りたい」
これも性差別の結果ですか?

違いますよ。全部女子が抱く願望でしょう。
一番最後のは欲望とも言いますが。

しかも「守ってもらいたい」に関しては、「守る」存在がいますよ。
「守ってもらう必要なんかないわ!」と言えるのは、あくまでも
平常時に頭の中だけで考えていられることであって、
いざ災害や事故が起きて動揺が走れば、守られたいと感じるのでは?
すると、頼りになるのは腕力体力の差で男性だったりするのでは?
避難時に女性と子どもが優先されるのは、差別なのでしょうか?

なんでもかんでも「性差別、性差別」じゃ、あまりに現実離れで、
私には理解ができません。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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