ゴー宣ネット道場

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小林よしのり
2019.6.5 11:20日々の出来事

「ひきこもり」に偏見を持つなというリベラルの欺瞞

朝日新聞の天声人語が変なことを書いている。
日本の殺人事件の約5割は、家族間で起きているので、
「家族は、殺人事件に手を染めかねない犯罪予備軍で
ある」と言えるか?と問うのだが、わしは言えると
思っている。

家族間の愛憎劇は殺人事件にまで至ることが非常に
多いのは事実であり、それでも愛の方を信じて家族を
営んでいるのは、幻想なしには生きていけない人間の
サガなんだろう。
だが家族の幻想も今や砂粒の個に分断されて、風前の
灯になっているが。

「ひきこもり」も家族の愛憎劇のひとつであって、
幻想の破たんを象徴している。
親が年取って寄生するのが難しくなれば、自分の将来
に絶望して、自暴自棄になる危険性は、これから増える
一方なのだろう。

「ひきこもり」を犯罪予備軍と見るのは妥当ではない
のだろうが、そのような「偏見」を持つことを禁じる
こともできない。
「偏見」は「差別」に繋がりやすいが、「偏見」は
どうにもならない人間の防衛本能である。

漫画家ゆえに学者よりは真理を見る目が劣っていると
考える者たちは膨大にいるし、権威主義はマスコミ
にも蔓延している。
わしが『ゴー宣』でやってきた権威主義との戦いは、
まさに「偏見」との戦いである。
「偏見」も共同体の秩序を守る知恵なのだろうから、
わしは全否定はできない。

「ひきこもり」に関して言えば、敗戦後の焼け跡の
中なら、ひきこもる場所などなかっただろう。
高度経済成長の結果として、子供をひきこもらせる
ほどの豊かな家庭が生まれたから「ひきこもり」が
100万人も発生しているのだ。

「ひきこもり」の警戒心を解いて、少しづつ社会に
復帰させる支援組織を否定しない。
このような歪んだ社会になってしまった以上、病人を
手当てするのは必要なことだ。

だが、親は子供を自立させるのが使命であり、子は
親から自立するのが生き物の基本であることは、
忘れてはならない。

自立せよ!現場を持て!と言い続ける使命が、
わしにはある!

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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