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高森明勅
2019.7.23 06:00政治

参院選の敗者は誰か?

参院選が終わった。

誰が敗けたのか?
自民党の獲得議席数は57。
改選議席を9も減らした。
とても勝者とは言えない。
しかも投票率が低く、組織票を持つ自民に有利なはずの条件下だった事を考えると、
とても喜べる結果ではあるまい。
非改選と合わせて単独過半数も失った。
公明は3議席増の14議席。
各メディアの事前予測では9~15議席と見られていた。
その最高議席数に近い。
こちらは、投票率の低さがそのままプラスに働いた形だ。

一方、野党はどうか。
立憲民主党が8議席増やした。
それでも僅か17議席。
事前予測では15~26議席と見られていた。
その最低議席数に近い。
これで「勝った」とはお世辞にも言い難い。

維新の3議席増による10議席獲得は、
事前予測の最高議席数11に近い。
それでも自公プラス維新のいわゆる「改憲勢力」で、
非改選と合わせて参院の3分の2に届かなかった。

しかし個別の分析を越えて、投票率が48.80%にとどまった
(つまり全政党を合わせても有権者の過半数の支持を得ていない)
という事実は何を意味するか。

恐らく、単なる政治的無関心の他に、既存の政党はどこも期待出来ない、
というニヒリズムが背景にあるだろう。
その意味では既存の全政党が敗者とも言える。
安倍政権は嫌だが、野党も頼りに出来ない―という層がかなりいるのではないか。
今回の選挙で、そういう層のごく一部を掘り起こし、
新たに政党要件を手に入れたのが「れいわ新選組」だろう。
国民の政治不信は随分以前から。
その不信を、誰かが払拭してくれるのではないかと淡い期待を抱いては、
裏切られ続けて来た。

例えば、小泉純一郎首相への期待感。
或いは民主党政権への期待感。
近くは発足したばかりの立憲民主党への期待感
(ごく短期間ながら橋下徹氏や希望の党への期待感もあった)。

しかし、他者に過大な期待を掛けるだけでは、
いたずらに絶望を深めるばかりだ。

私ら自身が真実を見極める目を養い、根気強く政治への関心を持ち続け、
自分の持ち場を最優先しながら、必要で可能な行動は躊躇わない、
という姿勢を自らに課して行く以外ないだろう。

例えば、8月のゴー宣道場に足を運んでみる…
というのもその1つではないか。

締め切りは24日、明日だ。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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