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高森明勅
2019.9.30 06:00皇統問題

有識者会議は出来レース?

自ら「安倍首相のブレーン」と称する八木秀次氏。
「安定的な皇位継承を確保するための諸課題」に
取り組むはずの有識者会議について、以下のような
発言をされている。

「実は、有識者会議の結論はすでに見えています。
それは『女性宮家創設』と『旧宮家の皇籍復帰』の2案を
両論併記するというものです。
今回の会議は、1つの方向性を打ち出すのではなく、
政府として初めて旧宮家の復帰をオーソライズすることに
重きを置くわけです。
国民の理解が進んでいないことを踏まえつつ、総理は最終的に
ソフトランディングさせたい。
その第一段階として秋の会議を捉えているのだと思います。
現に総理は、野党時代の終盤に旧宮家の方々と知り合い、
今もお付き合いが続いていると聞いています」と
(「週刊新潮」10月3日号)。

とても正直な人物だ。
有識者会議が設置される前から、既に“ゴール”が決まっている事を、
明け透けに語っている。
有識者会議が“出来レース”というのは、これまでも多くの人々が
感じて来た事だろう。
しかし、首相周辺の1人と見られている人間が、まだメンバーの
人選も決まっていない段階で、こうまで露骨に手の内を明かした
のは前代未聞ではないか。

随分、国民を馬鹿にした話だ。
首相の「ブレーン」が予(あらかじ)めこんな発言をすれば、
人並みにプライドを持つ「有識者」なら、既に結論が決まった
猿芝居の片棒を担ぐメンバーに加わるのは、当然ながら辞退するだろう。
逆に、メンバーに加わるのは、猿芝居を承知の上で、政府の敷いた
レールに沿って“議論のフリ”をするのに、何の違和感も抱かない人達だけ、
と見られてもやむを得ない。

八木氏の発言を、政府の驕(おご)り、緩(ゆる)み、弛(たる)みの
現れ、と腹立たしく受け取る人がいるかも知れない。
だが、恐らくそうではあるまい。ただ八木氏が根っからの正直者で、
全体状況を把握する能力が少し欠けているだけだ。

なお昨日のブログの「備え」は勿論、誤記。
「供え」に訂正する。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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