ゴー宣DOJO

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笹幸恵
2019.10.21 12:48ゴー宣道場

昨日のゴー宣道場

昨日はケネス・ルオフ氏をお招きしてのゴー宣道場。
ルオフ氏の誠実なお人柄が道場全体に溢れるようで、
皆が真剣に彼の話に耳を傾けていました。

思考をめぐらせながら聞いていた、という
参加者の発言があったけれど、確かにそうでした。
とくに言葉に対する曖昧さを自覚できたのは発見。
伝統とか宗教とか責任とか反省とか。
日本語が母国語の者どうしだったら、
いちいち概念規定などせず、自明であるとして
議論の遡上にのぼることすらないかも。
伝統という言葉の「魔術性」を明確に言葉にして
指摘できるのは、外国人であるルオフ氏ならでは
だと思いました。

個人的にショックだったのは、
対米従属がもはや伝統になってるかも♪
というルオフ氏のジョーク。
ウケたけど、のちゾワッとくる。
笑ってる場合じゃねーーーーーッ
と思ってしまった。
魔術性とか思考停止とか、伝統という言葉のもつ
危険性を皆で語っていただけに、なおさらだ。

敗戦から74年。この年月は結構長い。
高森先生も言及されていたけれど、ためしに
敗戦1945年から74年さかのぼってみると、
1871(明治4)年である。
なんと廃藩置県が行われた年ですよ。
岩倉使節団が欧米に向かった年ですよ。
鉄道開通は明治5年、地租改正が明治6年、
江華島事件が明治8年、西南戦争は明治10年!!
近代日本の土台をつくっていた時期から、
世界を相手に戦う国にまでなったのだ。
激動の時代だったとはいえ、
それと同じ歳月が流れて、何かが芽生え
定着していたとしても少しもおかしくない。
その何かが対米従属だったとしても、
少しもおかしくない。

男尊女卑がサウジアラビア並みだというのも
衝撃的だったなあ。

いろいろと気づきの多い道場でした。

ルオフさん、最初から最後まで日本語(しかも
専門用語が多い)で通されて、大変だったのでは
ないかと思います。

お越しくださり、ありがとうございました。

        

そして、こないだから気になっていたんだけど。
受付に置いてあった貸し出し用の筆記用具の
ペンケース・・・。


むっちゃセンスいい~~
笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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