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高森明勅
2019.11.15 06:00皇室

父君のにひなめまつり…

昭和から平成への御代替わりの際に、上皇陛下はご自身の大嘗祭
(和訓では“おおにえのまつり”とも)について、以下のようにお詠みになった。

父君の
にひなめまつり
しのびつつ
我がおほにへの
まつり行なふ

「父君」とは勿論、昭和天皇。
昭和天皇の毎年の神嘉殿(しんかでん)での
新嘗祭に当たり、上皇陛下は「皇太子」として同じ殿内の西隔殿の座において
(昭和天皇の実際のご所作を直接にはご覧になってはいないものの)、
厳粛な祭祀の時間を共有しておられた(皇太子は天皇が御告文〔おつげぶみ〕
を読み上げられる迄はご端座のままで、それが読み終えられた後、
南庇〔みなみびさし〕に進まれてご拝礼をなさる)。

その大切なご体験を振り返りつつ、ご自身の大嘗祭に臨まれた時のお気持ちを、
一首の和歌に託された(平成2年の御作)。
新嘗祭だけにとどまらず、皇太子として

昭和天皇とご一緒に皇室の祭祀に携わって来られた歳月を背負って、大嘗祭に
向かわれたに違いあるまい(宮中祭祀の小祭では殿内にお入りになるのは天皇と皇太子だけ。
大祭でも天皇・皇后、皇太子・同妃のみが殿内に入られる)。

天皇陛下も長年、上皇陛下とご一緒に新嘗祭をはじめとする皇室の祭祀に、
ご熱心に携わって来られた。
畏れ多いが、恐らく同じようなお気持ちで大嘗祭に臨まれたことであろうと
拝察申し上げる。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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